『あんぱん』ソニンはまさに”ハチキン”な女だ 朝ドラ初出演までに切り開いてきた道のり
その後の活躍は目覚ましく、2016年には、シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』のクレシダ役などの演技が評価され、第41回菊田一夫演劇賞演劇賞を受賞、2019年には舞台『1789 バスティーユの恋人たち』のソレーヌ役、『マリー・アントワネット』のマルグリット・アルノー役により、第26回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞している。
2020年には、デビュー20周年を迎え、アニバーサリー・シングル「ずっとそばにいてね。/カレーライスの女“2020 Remix”」をリリース。その時、「EE JUMP」のプロデューサーを務めた恩師であるつんく♂はこうソニンを評している。「ソニンの場合は事務所や環境を変えながら、自分でここまでの道を切り開いてきました。普通の女の子なら挫折しててもおかしくない場面も数回はあったように思います。それでも、自分で歯を食いしばりながら諦めることなく、こうやって進んできた」(※3)。どんな逆境にも負けず、自分の道を自分で切り開いてきたソニンは、まさに“ハチキン”の女そのものだったのだ。
『あんぱん』でのソニンの役名は、山下実美(やましたみみ)。第4週目では、女子師範学校を目指すのにあまり成績が良くないのぶに、「心がけは……素晴らしい」と心配そうに見守る先生のキャラクターが表現されていた。これは、果たして『アンパンマン』のあの優しいキャラ、ミミ先生がオマージュ元なのか。そういえば、赤いメガネも共通している。早くもSNSなどでは話題になっているが、真相はいかに。ソニン本人の公式Xでは、『あんぱん』には「第3週から少しだけ登場」としているが、高知県民ならずともその登場シーンを心待ちにする声が増えてくるかもしれない。
デビューから25年、42歳になったソニンは今、頑張ってきた人だけが行き着く場所に辿り着き、頑張ってきた人だけが持つ輝きを放っている。“ハチキン”女代表として、その境地をもっともっと見せてもらいたい。
参照
※1. https://www.nhk.jp/g/pr/blog/q0zulz4mrg1/
※2. https://woman-type.jp/wt/feature/19507/
※3 https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/92553/2
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK