坂本龍一のドキュメンタリー『Tokyo Melody』4Kレストア版、2026年劇場公開決定

『Tokyo Melody』4K版、2026年公開

 坂本龍一のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が、4Kレストア版として2026年に劇場公開されることが決定した。

 1984年5月の東京でわずか1週間という短い期間で撮影されたドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が4Kレストア版として甦る。もともとは、フランスのテレビ放送のためにINA(フランス国立視聴覚研究所)よって制作された『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』。監督を務めたのは、ジェリー・ルイスやシャンタル・アケルマンのポートレート撮影から、アンディ・ウォーホルやポール・シュレイダーの『三島由紀夫の四季』の撮影現場でのスチール撮影などを行っていた、ニューヨーク生まれのマルチメディア・アーティストであるエリザベス・レナード。

 1983年、カンヌ国際映画祭で『戦場のメリークリスマス』プレミア上映に参加したことが制作のきっかけとなり、完成後には1985年のロッテルダム映画祭、ロカルノ映画祭、サンパウロ国際映画祭にてお披露目。そして日本では同年6月9日に第1回東京国際映画祭のみで上映され大きな反響を呼んだが、劇場上映はその時だけで幻の上映となった。2001年にはVHSとDVDが発売されるも入手困難なソフトになっていたが、地下の倉庫に眠っていたという16mmフィルムが掘り起こされ、修復を経てついにデジタル化が実現。2025年、坂本の誕生日である1月17日に開催された『坂本龍一|Birthday Premium Night 2025』内で実施された特別上映では、チケットがわずか2時間で完売した。

 また、本作には坂本がソロアルバム『音楽図鑑』制作に着手したばかりの時期であり、スタジオでのレコーディング風景やインタビューで構成され、当時30代だった坂本が自身の生い立ちや価値観、音楽哲学、現代文化について語る姿も収められている。さらに、『ラストエンペラー』の劇伴制作に取り組む貴重な様子も見られるほか、坂本が音楽を担当し出演も果たした大島渚監督作『戦場のメリークリスマス』、YMOの解散コンサートやプロモーションビデオからの映像も引用されている。さらに2025年2月28日に惜しまれながら閉館した新宿アルタをはじめ、渋谷のスクランブル交差点など、当時の東京の景色も映し出され、坂本ファンはもちろん坂本龍一という人物や当時を知らなくとも、「坂本の目と、彼のポートレートを通して見た東京の音」(エリザベス・レナード監督)を体感することができるドキュメンタリーとなっている。

 なお、今回の公開決定にあわせて、坂本龍一大規模展覧会『坂本龍一|音を視る 時を聴く』では、場面写真を用いた特報版のフライヤーが限定数で配布中だ。

『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』特報版フライヤー

■公開情報
『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』4Kレストア版
2026年全国公開
出演:坂本龍一、矢野顕子、細野晴臣、高橋幸宏
監督:エリザベス・レナード
撮影:ジャック・パメール
編集:鈴木マキコ
音楽:坂本龍一
録音:ジャン・クロード・ブリッソン
製作:ミュリエル・ローズ
制作会社:INA、KAB Amercia Inc.、KAB Inc.
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
1985年/62分/フランス、日本/日本語、フランス語、英語
©Elizabeth Lennard

■イベント情報
『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』
会期:2024年12月21日(土)〜2025年3月30日(日)
会場:東京都現代美術館(東京都江東区三好 4-1-1)
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日

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