妻夫木聡主演映画『宝島』アザービジュアル公開 “戦果アギヤー”が生きた戦後の沖縄を描く

 9月19日に公開される妻夫木聡主演映画『宝島』の4種のアザービジュアルが公開された。

 本作は、戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描いた真藤順丈の同名小説を映画化するサスペンス。主演の妻夫木をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太が共演に名を連ねる。

 2019年に原作権を取得してから、6年の歳月を経て公開される。当初開発は順調に進み2021年にクランクイン予定だったが、度重なるコロナ禍に二度の撮影延期を経て実際にクランクインできたのは2024年2月。スタッフ・キャスト全員が「どうしても今の時代に届けたい」という強い情熱を持ち進んできたからこそ実現したプロジェクトがいよいよ本格始動を迎える。

 沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える、“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。その中心にいるのは、いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼なじみのオン(永山瑛太)、グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)。その中でも、英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオンだった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ。残された3人はやがて、警察官、小学校の先生、ヤクザになり、それぞれの想いを胸に、憧れの存在オンの失踪の謎を追う。

 公開されたアザービジュアルには、米軍による営業許可証である通称「Aサイン」を掲げるバーが立ち並ぶ繁華街の雑踏に巨大なアメ車……と、全てをアメリカに支配されていた当時の沖縄のリアルな空気感が漂う中、激動と混沌の時代を懸命に生き抜く、‟戦果アギヤー”の日常が写し出されている。米軍基地から物資を奪い、戦果として困窮する住民らに分け与えていた、何も恐れず未来を信じ突き進む‟戦果アギヤー”の勇ましい姿とともに「1952:WHEN OKINAWA WAS STILL UNDER US OCCUPATION.」というコピーが添えられている。

 本編は、現在完成に向けて編集中だが、大友啓史監督は映画化にあたり「自分にできることの全てをこの作品に投げ打った」と語る。また、「戦争という悲劇は、その渦中のみではなく、それが終わった後の日常にも大きな影響を及ぼす。戦争を通して生まれた勝者と敗者という関係性は、その後の日々の暮らしの中にどんな爪痕を残していくのか。そして、その関係性は我々に何を与え、何を奪っていくのか。宝島は、沖縄を舞台にした物語ですが、決してあの時代の沖縄だけにと留まる物語ではない。いまだ世界中で起きている戦争や紛争の本質に真正面から踏み込んでいく、そんな普遍性を持った物語だと思います。スタッフキャストが心を一つにし、同じ願いを持って取り組んだ作品です」とコメントしている。

 さらに、企画開始からおよそ6年、戦後80年となる今年の公開に向け「アメリカに統治された沖縄で“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちが何を考え、何を感じ、何を大切にして生きていたのか。そこには混沌として今の時代を生きていく上で、本当に大事なものは何かをもう一度考えるヒントがある。映画というエンタテイメントの中で、日常の時間を忘れて、少しでもあの時代を追体験し、1人1人が心の中に何かを持ち帰っていただけたら」と思いを寄せた。

■公開情報
『宝島』
9月19日(金)全国公開
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会
公式サイト:https://www.takarajima-movie.jp
公式X(旧Twitter):https://x.com/takarajimamovie

関連記事