上杉柊平、理想の役者像を語る 事務所の先輩・唐沢寿明とのタッグは「とても贅沢な時間」

2024年に3作の連続ドラマ出演をはじめ、数々の映像作品で個性あるキャラクターを演じ、視聴者に強い印象を残した上杉柊平が、テレビ朝日系にて放送中の木曜ドラマ『プライベートバンカー』に出演している。役どころは、唐沢寿明演じる、資産10億円以上の大富豪のみを相手にする凄腕プライベートバンカー・庵野甲一が信頼する助手・御子柴修。上杉が「リアリティにこだわっている」という御子柴へのアプローチ方法や、事務所の先輩でもある唐沢とタッグを組むことで受けている影響などについて語った。
本作は、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行うマネーのスペシャリストの庵野(唐沢寿明)が、大富豪を相手に“お金”にまつわるさまざまな出来事を清濁併せながら解決していく姿を描くマネーサスペンス。
上杉は台本を読んだ際「純粋に新しいな」と感じたそうで、「大きなお金を扱う物語になればなるほど、やや現実離れすることが多いのですが、この作品はすごく地に足がついているというか緻密に書かれているなと感じました。現実感のない金額の話なのですが、リアルに感じるんです」と説明する。

上杉演じる御子柴は、大手証券出身で、庵野のために黒子のように動く、とても有能かつ金融に詳しい男。上杉は「台本を読んでいて知らないことも多かったのですが、お金ってある意味この世の中で誰にも共通して価値のあるものなので、僕も興味を持ち、学びながら演じています」としっかり準備して臨んだという。
御子柴の特徴として、説明ゼリフの多さも挙げられるだろう。視聴者をナビゲートする役割も担っており「御子柴自身、仕事がすごくできる人間に映らなければいけないので、説明セリフはしっかり自分も意味を理解して話さないとリアリティに欠けてしまう」と説得力にこだわる。

また淡々と仕事をこなす一方、“濁”もにじませるような人間性も垣間見せる御子柴は、上杉にとっても大きなチャレンジのようで、現場では監督や共演者たちと試行錯誤しているという。
「すごくきっちりとしている一方で、かわいげのある人間になったらいいなと思って、いろいろ自分でも考えています。ある場面で御子柴がお願いに行くシーンがあったのですが、監督と話をしたなかで、『土下座しちゃいませんか?』いう結論になって……。そういう部分もすごく楽しみながら撮影できています」
こうした上杉のチャレンジの背中を押してくれるのが唐沢の存在だ。唐沢は他の作品でも「主人公はストーリーを引っ張ってく役目があるけれど、周囲が目立つことで作品はより面白みを増すんですよ。上手くいくドラマは必ず脇が跳ねる」と話しており、若い俳優たちがいろいろなチャレンジをすることを推奨している。(※)

上杉は「先ほど話した僕と監督のやりとりなども、唐沢さんはニコニコしながら見ているんです」と語ると「『そうやっていくことで役が固まっていくだろ』と声をかけてくださいました。さらに『ずっと抑えてしまうといざ出そうと思ったときに出せない。やり過ぎることは悪くないんだよ』とも話してくれました。いろいろチャレンジすることを許容してくださるし、作品が面白くなればそれが一番という空気を出してくれています」と大きな心で包み込んでもらっているようで、唐沢と間近で対峙できることを「とても贅沢な時間です」と語る。