『アンサンブル』宇井が8年前に瀬奈を振った理由 横田真悠の登場で四角関係が動きはじめる

 前々回の大学での再会シーンと、前回の宇井(田中圭)の家の前のシーンで果たせなかった、宇井から瀬奈(川口春奈)への“8年前”の説明が、ようやく果たされた『アンサンブル』(日本テレビ系)第4話。咲良(稲垣来泉)は宇井の兄の娘であり、8年前にその兄が他界したことで彼女を引き取ることになったという経緯がわかり、とりあえずは一安心。これはドラマ的にも前半の重要なポイントとなることだろう。とはいえ、わざわざ仕事に託けて逃げ場のない田舎の旅館に瀬奈を誘いだして話をする機会を得るという宇井のやり方には同意しかねるのだが。

 今回の序盤は、前回のエピソードで少しだけ触れられた、真戸原(松村北斗)の妹・凛(香音)のストーカートラブルについて描かれる。凛から「家族のことなので口出さないで」と言われた瀬奈は、パラリーガルのこずえ(長濱ねる)に頼んで凛から話を聞き出してもらう。そしてストーカーと思しき佐竹(西山潤)に会いに行って話を聞くと、要するに別れ話のもつれであり、脅迫や軟禁といった犯罪行為が伴いつつも、比較的平穏なかたちの話し合いで解決に至る。

 と、今回の“リーガル的”な部分はこの10分ほどに集約されていたわけだが、あくまでもこの挿話は、凛に突然別れ話を切り出され話す機会をもらえず極端な行動に出た佐竹が瀬奈に言う「恋人が急にいなくなったらどうしてか知りたくなるだろ」という発言を瀬奈が自分ごととして受け取るために、また瀬奈が凛に対して言う「なにも言わずに関係を終わらせようとするのは、一番相手を傷つけることだよ」という言葉を引き出すためのものであったといえよう。

 そして中盤以降は、宇井が1泊2日の仕事に瀬奈を連れて行く(ドイツ語ができる弁護士が必要と言っておきながら、普通に瀬奈は日本語で話すし通訳もいたのだが)ということをめぐって、三角関係が加熱。さらに真戸原の元恋人である可奈子(横田真悠)の登場で、事実上の四角関係が動きはじめるのである。端的にいえば、お互いに元恋人という存在に縛られ(瀬奈は宇井からはっきりと復縁を求められ、真戸原は可奈子から「私たちまだ付き合ってるよね」と言われる)、かつお互いの元恋人を気にしてしまっている状態だ。

 もっとも、タイミング的にも言葉選び的にも、正解とも不正解ともいえない真戸原の告白によって、真戸原と瀬奈の関係にそれなりの動きが見られた今回だからこそ、このような“お互いの元恋人”という典型的なアンタゴニストが手強い存在としてドラマを盛り上げてくれることへの期待は急速に高まるのであろう。なんというか、宇井も可奈子も策士であり、対して瀬奈と真戸原はどうにも不器用ではっきりしない部分のあるキャラクター。性格面は対照的でも、恋愛面では似たもの同士に見えるメインカップルの姿から浮かぶ言葉は、劇中でこずえがしっかりと代弁してくれている。「このドラマ、ヤキモキするわ」。

土ドラ10「アンサンブル」

“現実主義”の女性弁護士と“理想主義”の新人弁護士との恋模様を描くリーガルラブストーリー。

■放送情報
土ドラ10『アンサンブル』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:川口春奈、松村北斗(SixTONES)、板谷由夏、長濱ねる、じろう(シソンヌ)、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督:河合勇人ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽:澤田かおり
主題歌:aiko「シネマ」(PONY CANYON)
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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