“結”橋本環奈はなぜ人の心を開かせるのか 『おむすび』で描かれる“話す”ことの重要性
『おむすび』(NHK総合)が2週にわたって放送されたスピンオフ週を経て、第18週から「病院・管理栄養士編」がスタートした。クスッとできるような笑いとくせ者が揃うところはこれまでと一貫しながら、本格的な医療ドラマへと変貌した印象だ。結(橋本環奈)が「食を通じて人を支えたい」という10代に抱いた頃の思いは30歳目前になった今でも変わらず、これまでの経験を活かしながら、ギャル魂を持った管理栄養士として大阪新淀川記念病院で患者と向き合っている。
そもそも栄養士、管理栄養士は、昨今活躍の場が広がり、多彩なジャンルで必要とされる大きな可能性を持つ職業。スポーツ栄養士として陸上競技が強い一流食品会社「まんぷく食品」に就職した沙智(山本舞香)、東日本大震災の被災地で災害支援栄養士として活動した佳純(平祐奈)はそのことを伝えており、なかでも栄養士、管理栄養士の職場として筆頭に挙げられるのが病院やクリニックだ。
ほかの医療ドラマとは異なり、『おむすび』独自の目線としてメインに登場しているのが栄養サポートチームのNST。栄養科長の塚本(濱田マリ)をはじめ、看護師の桑原(妃海風)、言語聴覚士の杉沢(犬飼貴丈)、小児科医の松崎(永野宗典)、薬剤師の篠宮(辻凪子)、そして管理栄養士の結がメンバーとして参加している。最近では実際にNSTを設置している病院も増えているという。
中村アンが毒舌な凄腕ドクターに 『おむすび』最終章の新キャストに犬飼貴丈、妃海風ら
現在放送中のNHK連続テレビ小説第111作目『おむすび』の新キャストとして、濱田マリ、妃海風、犬飼貴丈、永野宗典、辻凪子、しまず…
『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 おむすび Part2』(NHK出版)では、『おむすび』の栄養学考証を務める公益社団法人日本栄養士会の面々がインタビューに答えており、医療の現場で最適な栄養サポートをするために重要なのがコミュニケーションだという。各専門職の情報を交換しながら方針を決めるのはもちろんのこと、加えて患者の言葉を聞き取っていくことも必要。食べ物の話は心を開きやすくすることもあり、医師や看護師には話しづらいことを、管理栄養士には話してくれることもある、というのだ。