『潜入兄妹』すべてが段取りよく回収される最終回に 続編を匂わせる新たな“依頼”も

 ハコの仲間であった泰造(徳井優)が九頭龍として現れる終盤のどんでん返しには、後々で本当の九頭龍から雇われただけであるというもうひとつのどんでん返しが重ねられる。その正体が入間(及川光博)であり、結果的に彼が貴一たちの父を殺した張本人であると判明する。もっともここに関しては、前回突如として見せた入間の不穏な表情を考えれば必然的な展開であったかもしれない。むしろ、入間が黒幕であると気付く直前の、貴一と鳳凰の対峙シーンにこそ、このドラマの最大のカタルシスは存在した。貴一が父の仇を討つために幻獣に潜り込んでいたことを知った鳳凰が見せる一瞬の表情の変化。彼はそこで、自分と貴一を重ねていたにちがいない。

 さて、ラストで拘置所に入れられた鳳凰が、同じ拘置所に連れてこられた入間に刑務官の協力を得て復讐を果たす一連を見ると、彼の組織は完全には壊滅していないことが窺える。一方で、兄妹のもとには新たな潜入の依頼が舞い込んでくる。これらはまさしく続編のための下準備といったところだろう。そういえば、ドラマが終盤戦に入ってからはすっかり『占拠』シリーズとの繋がりを感じさせる要素がなくなっていた。もし続編をやるとなれば、本格的なクロスオーバーの実現を期待したいところだ。

■配信情報
土ドラ10『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』
TVer、Huluにて配信中
出演:竜星涼、八木莉可子、徳井優、入山杏奈、長尾純子、呉城久美、伊藤あさひ、岡井みおん、半田周平、フェルナンデス直行、神尾佑、及川光博
チーフプロデューサー:道坂忠久
プロデューサー:尾上貴洋
演出:大谷太郎、西村了(AX-ON)、茂山佳則(AX-ON)
脚本:福田哲平
音楽:ゲイリー芦屋
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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