『マイダイアリー』優希と広海の恋が大きく動き出す 清原果耶の真骨頂“切そうな表情”も
2022年に大ヒットしたドラマ『silent』(フジテレビ系)に、「紬が戸川くんのこと好きなの、そういう感じだった。うれしいこと教えたくなる感じ。無意識に戸川くんが自分の基準になってる感じ」という台詞があった。そんな“好き”の形を、同作は“ぽわぽわ”と表現していたが、『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の優希(清原果耶)と広海(佐野勇斗)も、ぽわぽわとしたカップルになっていくのだと思う。
好きな人ができると、毎日会いたくなって、声が聞きたくなる。これまでの優希にとっては、恋とはそういうものだったのだろう。しかし、なぜか広海に対しては、そんな感情にはならない。だから優希は、「おかしいですよね。平気だったんですよ。好きな人に、好きな人なのに、しばらく会わなくても、平気だったんです。わたし……」と隣人の緑(中村ゆり)に戸惑いの気持ちを吐露していた。
しかし、会わなくても平気なのは、好きじゃないからではない。優希のなかに、いつも広海が存在していたからだと思う。それは、広海も同じだった。「コンビニで美味しいスイーツを見つけたから、徳永くんに報告しよう」とか、「この雲、恩村さんなら何に似てるって言うかな」とか。『silent』の紬(川口春奈)と湊斗(鈴鹿央士)のように、無意識のうちに相手が自分のなかに入り込んでいる。だからこそ、優希も広海も寂しさを感じることがなかったのだろう。
お互いに奥手だからこそ、なかなか進展がなかった2人だが、第6話では広海が「今の自分の気持ち、手で伝えてもいい?」と優希の手を握ったことで、恋が大きく動き出した。このシーンのときに感じたのだが、佐野勇斗はちょっぴり奥手な男性キャラが見事にハマる。たとえば、『おとなりに銀河』(NHK総合)の久我や、『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』(Prime Video)のハチのように、どちらかというと女性にリードをしてもらうような。だからこそ、彼らが大きな一歩を踏み出した瞬間の“キュン”が凄まじいのだと思う。個人的には、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)で演じていた年上彼氏・一星のような役柄ももっと見てみたい気もするが、やっぱり佐野は広海のような役柄で最大限に魅力を発揮する。