BMSG、LDH、トライストーンも 令和に復活傾向、日本芸能史に欠かせない“運動会”

運動会の効用と再ブーム

 運動会は明治時代に「国威発揚」「健康増進」を目的として広く普及した。短距離走や障害物競走などのプログラムを多人数で行っていく運動会は、スポーツ競技中心の西欧とは異なる日本独自の行事とされている(韓国や台湾で運動会が見られるのは日本統治の名残)。運動会は、集団性や協調性を重視する日本人の国民性に合っているとも言われている。

 前述のとおり、日本の運動会は学校行事として行われるものを除くと、バブル期を境に衰退していく。ところが2010年代から、さまざまな企業が社内運動会を復活させる再ブームが巻き起こった。運動会の競技を通して普段関わりのない社内のメンバーや上司とコミュニケーションをとったり、一致団結してチームワークを高めたりする、社内の一体感、結束力を増す効用が認められたからだ。コロナ禍によって中断したものの、現在は再び社内運動会を行う企業が増えてきているという。

事務所独自のコンテンツとしての運動会

 この流れの中に、芸能事務所による運動会もあると見ていいだろう。普段は異なるグループに属するメンバーがチームを組んでコミュニケーションを図りつつ、ファンを含めた社内外の一体感、結束力を増していくためのイベントとして考えられている。SKY-HIが起業当時から運動会をしたいと考えていたのも、このような効用を狙ってのことだろう(単に運動会が好きという可能性も考えられるが)。

 もちろんエンターテインメントとしての側面も大きい。普段見られないアーティストや俳優たちの素顔を見ることができるのだから、ファンとしては大歓迎だろう。芸能事務所としては、映画やドラマなどと異なり、事務所独自のコンテンツとして収益を見込むこともできる。ほとんどの運動会は会場での観覧のほか、有料配信、またはファンクラブ内での配信を行っている。アーティストや俳優のファンを「事務所のファン」にすることができるコンテンツが運動会なのだ。

 所属タレントが多く、集客力のある芸能事務所は、今後も運動会を続けていくだろう。芸能事務所の新しい戦略として、昭和の時代に人気のあった行事が復活したというのが興味深い。

■配信情報
『BMSG presents THE GAME CENTER』
疑似生配信:12月28日(土) 12:00~(5時間程度を予定)
見逃し配信:12月28日(土)ライブ配信終了後、準備が整い次第~2025年1月6日(月)23:59まで
特典映像配信期間:12月28日(土)12:00~2025年1月6日(月)23:59まで
出演:
CHAIRMAN:SKY-HI
PLAYER:Novel Core /BE:FIRST/MAZZEL/Aile The Shota/edhiii boi/REIKO/TRAINEE(RUI、TAIKI、KANON)
視聴料金 4,900円(税込)
販売期間:11月26日(火)18:30〜2025年1月6日(月)17:00まで
©THE GAME CENTER製作委員会
視聴URL:https://www.hulu.jp/store/bmsg-presents-the-game-center

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