『となりのMr.パーフェクト』では若手建築家に チョン・ヘインが魅力を開花させ続ける理由

 チョン・ヘインといえば、出世作となった2018年のソン・イェジンとのダブル主演作『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』の年下男子役で「国民的年下彼氏」と呼ばれるようになったのは、日本でも周知の通り。1988年4月1日生まれの彼は現在36歳になったとはいえ、いまだに“年下の男の子”感を漂わせているのは、そのベビーフェイスともいえるルックスの印象が大きいからではないだろうか。いつまでも少年らしさを思わせる純朴さ、清潔感、そしてどこか守ってあげたくなるようなはかなさも感じさせる。

 そんな彼の最新作『となりのMr.パーフェクト』が、8月17日よりNetflixで独占配信中だ。チョン・ヘインは、建築事務所アトリエ・インの代表でもあり、注目を集めている気鋭の若手建築家チェ・スンヒョ役を演じている。共演は、ドラマデビュー作でもある日韓共同制作ドラマ『赤と黒』(2010年)や、日本の漫画原作のドラマ『イタズラなKiss~Playful Kiss』(2010年)、北川悦吏子脚本ドラマを韓国リメイクした『空から降る一億の星』(2018年)ほか日本の作品とも親しみがあり、近年では『還魂』(2022年)でイ・ジェウクとのロマンスを見せたチョン・ソミン。彼女はスンヒョの幼なじみペ・ソンニュ役を演じている。

 海外の大学を卒業後、大企業で出世コースを邁進していたソンニュだったが、恋人との婚約を破棄、会社を辞めて帰国。一方、韓国建築界の優秀な建築家を称える賞のクリエイティブ部門の大賞を受賞するほど期待されるスンヒョは、名誉にはあまり興味がなく、墓地公園に通うことに忙しい。幼なじみの二人が再会することによって巻き起こる人生の機微が描かれていく。

 現段階ではまだ配信されたばかりなので結末は不明だが、何事にも慈愛に満ちているスンヒョと、強気キャラとはいえ、弱っているからこそ虚勢を張っていないと自分を保っていけない状態のソンニュが、今後どのような関係になっていくのか。我が子自慢で競り合うスンヒョの母親(チャン・ヨンナム)とソンニュの母親(パク・ジヨン)やその友人たち、スンヒョとソンニュの幼なじみで二人の黒歴史を知る救急隊員のチョン・モウム(キム・ジウン)、社会部記者のカン・ダンホ(ユン・ジオン)らが関わってくるなか、波乱が予想されるもユーモアと温かい交流、二人の成長が期待できる。

 今作で新しい姿を届けるチョン・ヘインは、もともとはスカウトがきっかけで芸能界へ。韓国の歴史ドラマにもなっている『イ・サン』にも登場する、実在した実学者チョン・ヤギョンの子孫であり、6代目にあたるという名家の出身だ。2013年、韓国ガールズグループAOAの「MOYA」のミュージックビデオ出演でデビューした。当時25歳ぐらいだとは思えないほどのかわいらしさと線の細さながら、爽やかな笑顔はこの頃から健在で、兵役が終わったあとの2014年にドラマ『百年の花嫁』で正式に俳優デビューし、同年には青春オムニバス映画『レディアクション 4つの青春』内の『訓練所へ向かう道』にてスクリーンデビューも果たす。

関連記事