『ブルーピリオド』『BLUE GIANT』『ブルーロック』 タイトルに“青”が入る作品はなぜ多い?
『ブルーピリオド』や『BLUE GIANT』のような芸術をテーマにした作品がある一方で、スポーツの世界を描いた作品もある。その代表が『ブルーロック』だ。『ブルーロック』の「ブルー」は、青春の意味も含みつつ、主にサッカー日本代表のチームカラーを指している。ちなみに、日本代表のユニフォームが青色なのは、諸説あるものの、ユニフォームの青が「日本の国土を象徴する海と空の青」を表しているからと言われている(※)。
『ブルーロック』では、この「SAMURAI BLUE」を背負う選手になるべく、高校生たちの激しい競争が描かれる。そこでの選手たちの“エゴ”のぶつかり合いは、過酷でありながらも、この作品ならではの青春の描き方ともいえるだろう。
これらの作品に共通しているのは、「青」という言葉や概念を通して、単に青春の美しく楽しい時期を描くだけでなく、その時期特有の熱い思いや苦しみを鮮やかに描き出している点だ。『ブルーピリオド』では美術の世界で、『BLUE GIANT』ではジャズの世界で、『ブルーロック』ではサッカーの世界で、主人公たちは自分の限界に挑戦し続ける。つまり、「青」をタイトルにした作品に重ねて表現されるのは、爽やかで明るい青春のイメージだけではなく、少年や少女たちの未熟さや泥臭さ、そして彼らが失敗を重ねながらも成長していく“青臭さ”でもある。
「青」を題名に冠した作品群は、青春の輝きや切なさが世代を超えて共感を呼ぶ。大人には青春の懐かしさを、若者には今の気持ちを鮮やかに映し出す。そんな「青い」作品たちの魅力が、読者や視聴者たちを引き付けている。このようにして、日本の、特にサブカルチャー分野で、「青」は特別な意味を持つシンボルとして定着してきたのだろう。「青い」作品たちを通じて、私たちは自分の過去、今、そしてこれからを考えるきっかけを得ているのかもしれない。
参照
https://www.jfa.jp/news/00026967/