『光る君へ』高畑充希が“愛の人”として作り上げた定子 清少納言との絆は永遠に

高畑充希が『光る君へ』に刻んだ愛

 一条天皇が定子を内裏に呼び寄せた時、定子は「彰子様を中宮になさいませ。さすれば、お上のお立場も盤石となりましょう」と言い伝えた。そもそも自分も家のために入内した身だと語る定子に対し、一条天皇は「そなたは、朕を愛おしく思うておらなかったのか」と不安げに問いかけるが、定子が彰子を中宮にするよう進言したのは、彼女が誰よりも一条天皇のことを思っているからに他ならない。

 公式サイト内のキャストインタビュー動画「君かたり」で、定子を演じている高畑は「最初のころはピュアでユーモアのある明るい人だった印象だったんですけど、年々本当にみんなよりももうちょっと一個フラットな次元でものを考えるというか、一条(天皇)が好きだから、一条のためにどうしてあげたら一条がいいようになるんだろうとか、そういうもう一つ大人な意味での愛情があったのかなと思いました」と語っている。「これまでのことは、全て偽りであったのか」という一条天皇に対し、無言だったのも、一条天皇の今後を思い、偽りであったと突き放すべきか考えているように見えた。自らの思いを押し殺すように口を閉ざす姿が切ない。そんな定子を、一条天皇は「偽りでも構わぬ。朕はそなたを離さぬ」と抱きしめた。思わず涙する定子の姿に胸が締め付けられる。

 3人目の子どもを身ごもった定子は顔色が悪く、弱々しいが、ききょう/清少納言(ファーストサマーウイカ)と過ごす日々は彼女が唯一気兼ねなく安らげる時間となっていた。「そなただけだ。私の思いを知ってくれているのは」「小納言と話をしていたら力が出てきた」と笑った。その笑顔には、入内したばかりの頃のような無邪気さが残っている。

 悲しいことに、定子は出産後に息を引き取った。兄・伊周が定子の死を心の底から悼み、ポロポロと涙を流したこと、定子が「いつまでも私のそばにいておくれ」と願ったききょうがずっとそばにいたであろうことは救いのように感じられるが、度重なる悲運に見舞われた定子の最期はとても寂しいものとなった。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる