「パパが死にませんように」少女の切ない願いが響く 『夏の終わりに願うこと』本予告公開

『夏の終わりに願うこと』本予告公開

 8月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショーされるリラ・アビレス監督作『夏の終わりに願うこと』の本予告が公開された。

 ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞を受賞し、東京国際映画祭ほか70以上の映画祭で上映された本作は、7歳の少女・ソルを中心にある夏の1日を描いた人間ドラマ。先日発表されたアリエル賞では、作品賞をはじめとする15部門にノミネートされた。

 ある夏の1日。ソルは、母に連れられて父・トナの誕生日パーティーのため祖父の家を訪ねる。病気で療養中の父と久しぶりに会えることを無邪気に喜ぶソルだったが、準備に駆け回る家族の異変に気が付いていく。よろこびや戸惑い、希望や不安……それぞれが抱える思いが交差するなか、パーティーが始まろうとしていた。

 主人公・ソルを演じたのは、本作が映画初出演となるメキシコ生まれのナイマ・センティエス。幼いころから自然の中で多くの時間を過ごしてきたという彼女を観たアビレス監督は、直感的に「この人だ!」と演技未経験ながらセンティエスをソル役に大抜擢したという。同じく演技の経験がない子役たちとの息もぴったりで、アビレス監督は「宝石のように私の近くで輝いていた」と撮影現場を振り返った。また、療養中の父・トナを、脚本家・作家としても活躍するマテオ・ガルシア・エリソンドが演じた。

映画『夏の終わりに願うこと』本予告

 公開された本予告は、「わたしのお願いは何だと思う?」「“パパが死にませんように”」とソルが語りかけるシーンから始まる。療養中の父を喜ばせるためにピエロのコスチュームを身にまとったソルや、賑やかな誕生日パーティーの準備を進める親戚たちの姿が映し出されるも、当の父の容態は深刻で、気軽に面会も許してもらえない。命の灯火が揺らめく父を想い、「いつ世界が終わるの?」と呟くソルの姿を、青々とした草花や、オウム、ミツバチ、カマキリなど、メキシコの地に息づく様々な生命たちが見守る。そんな中、生き方も価値観もそれぞれ違う家族が同じ“願い”をこめて開催する忘れられないパーティーが始まる。

■公開情報
『夏の終わりに願うこと』
8月9日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
出演:ナイマ・センティエス、モンセラート・マラニョン、マリソル・ガセ、マテオ・ガルシア・エリソンド、テレシタ・サンチェス
監督・脚本:リラ・アビレス
配給:ビターズ・エンド
後援:メキシコ大使館
2023年/メキシコ・デンマーク・フランス/カラー/スタンダード/95分/原題:Tótem/日本語字幕:林かんな 
©2023- LIMERENCIAFILMS S.A.P.I. DE C.V., LATERNA FILM, PALOMA PRODUCTIONS, ALPHAVIOLET PRODUCTION

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