『光る君へ』松下洸平の哀しみに満ちた笑顔 まひろに“心を開けない”周明の切なさ

『光る君へ』松下洸平の哀しみに満ちた笑顔

 なお、松下洸平と吉高由里子の共演に、2021年に放送されたドラマ『最愛』(TBSテレビ系)を思い出す視聴者は少なくないようで、SNS上では「『最愛』見返したくなっちゃった」「殺人事件絡んできて更に最愛……」など『最愛』を思い出したといった反応や、SNS上での反応をきっかけに『最愛』を見始めた人の声も。また「最愛はどこにもなくて、ただ、まひろと、ヂョウミンがいた」「2人のシーンを見ても別に『最愛』の事は思い出さなかったなぁ。まひろと周明だった」といったコメントも見受けられた。これは役の人物像を真摯に捉え、作品ごとに違う役を演じ分けていく松下と吉高の演技力の高さを明示するものに他ならない。

 また第23回では思わぬ展開も。越前にやってきた宣孝(佐々木蔵之介)は、別れ際、思いがけぬ言葉を口にした。

「都に戻ってこい、わしの妻になれ」

 まひろの父・為時はまひろと周明の親しい間柄を好意的に受け入れているようだが、宣孝は違った。越前にやってきた宣孝は、まひろと周明が海辺を歩くのを見て、こわばった顔になる。これまでの回を振り返ると、宣孝がまひろに好意を抱いていることが分かる場面は多々あった。宣孝演じる佐々木の表情や佇まいから伝わることもあったが、第21回ではいと(信川清順)の言葉から宣孝の真意がうかがえた。「まひろに叱られた」と口にする宣孝に、いと(信川清順)が「叱られる時、宣孝様はいつもうれしそうに見えますが」と言う。いとはかつて、まひろと道長に深い関係があると見抜いた。勘の鋭いいとの言葉に宣孝の本心があらわれている。

 まひろに軽口を叩くなど、調子の良い言動はコミカルに映るが、まひろが周明に「再見」と声をかけるのを見て心中穏やかでない顔を見せたり、ウニを夢中で食べるまひろを微笑ましく見つめていたり、佐々木の演技によって宣孝の正直な一面が伝わってくる。

 ただ、まひろは宣孝の思いに気づいていなかった。宣孝の言葉に、まひろはどう答えるのだろうか。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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