『鬼滅の刃』OPの“キャラの向き”には意味がある? 隠された演出を過去シリーズまで調査

『鬼滅の刃』OPに隠された演出を調査

主題歌の歌詞にも意味がある

 『鬼滅の刃』シリーズのこれまでの主題歌を振り返ってみると、LiSAの「紅蓮華」「明け星」、Aimerの「残響散歌」、そしてMAN WITH A MISSIONとmiletの「絆ノ奇跡」が挙げられる。これらの曲はいずれも『NHK紅白歌合戦』に出場するほどの大ヒットを記録し、アニメの世界観と見事にマッチした心に残る名曲となっている。オープニング映像とともに、主題歌もまた、視聴者の心に深く刻まれているのだ。

LiSA『紅蓮華』-MUSiC CLiP-(アニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編 オープニングテーマ)

 そして今回の「柱稽古編」のオープニング曲は、MY FIRST STORYとL'Arc~en~CielのボーカルHYDEによるコラボ曲「夢幻」。注目すべきは、この曲の歌詞にも『鬼滅の刃』の世界観が反映されていることだ。過去の「刀鍛冶の里編」のオープニングでも、先代から現生の隊士たちへの想いが繋がれていくような映像があったが、今回もまたそうした繋がれていく想いを表現したOPになっている。

 HYDEとMY FIRST STORYのボーカルhiroが交互に歌うこのロックチューンは、『鬼滅の刃』のドラマチックな物語を鮮やかに描き出している。hiroのパートでは、主人公・竈門炭治郎たち鬼殺隊の奮闘が歌い上げられ、「花のように意志をつなぐ」といったフレーズからは、鬼に倒された隊士たちの意志を受け継ぎ、必死に戦う鬼殺隊の姿が浮かび上がる。一方、HYDEのパートでは、宿敵・鬼舞辻無惨たち鬼側の恐怖が歌い込まれている。「奪っていく嵐のように心を裂く」といった歌詞からは、鬼たちの獰猛さと冷酷さが感じられたのではないだろうか。

テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編 第1弾PV

「立志編」OPにも上弦の鬼たちのシルエットが

 さらに、今回の「柱稽古編」のオープニング映像には、ほんの一瞬だが、上弦の鬼たち、黒死牟、童磨、猗窩座が映るカットもある。無限城編についてはまだ公式から発表はないが、最終回までに無限城編に突入する可能性も考えられるのではないか。ちなみに、以前放送された「立志編」のオープニングにも、よく見てみると無限城の中にいる上弦の鬼たちのシルエットがうつっているカットがあるので、今一度見返してみるのも面白いかもしれない。

 キャラクターの動きや表情、背景の描写、そして主題歌の歌詞にいたるまで、隅々まで作り込まれた演出は、視聴者を物語の世界により深く引き込んでいく。アニメ本編が終わった後の、オープニング映像との“答え合わせ”も楽しみ方の一つだろう。

■放送情報
『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』
フジテレビ系にて、毎週日曜23:15〜放送
TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビにて、5月18日(土)24:00〜放送開始
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
アニメーション制作:ufotable
キャスト:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、小西克幸、河西健吾、早見沙織、花澤香菜、鈴村健一、関智一、杉田智和
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/hashirageikohen/

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