ファーストサマーウイカは“同期”にいてほしい俳優 『光る君へ』清少納言も納得の抜擢

 NHK大河ドラマ『光る君へ』で主人公のまひろ/紫式部(吉高由里子)とは対照的に勝気で、向上心旺盛なききょう/清少納言を演じるファーストサマーウイカ。若き日の紫式部と清少納言といっても、まひろが後に仕えることになるまだ彰子は幼く、ききょうが仕えることになる定子(高畑充希)は一条天皇(柊木陽太)に入内したばかり。

 藤原道長(柄本佑)とのすれ違いや、父・藤原為時(岸谷五朗)が官職を得られないために家がどんどん貧しくなって困窮していることなど、まひろには悩みが尽きない。何かと壁にぶつかり、思い悩むまひろに対して、ききょうは自分のやりたいことにまっすぐに向かっていく。そんな才気煥発なききょう役でファーストサマーウイカが精彩を放っている。

 第6回「二人の才女」では、藤原道隆(井浦新)が妻の貴子(板谷由夏)の助言で開いた漢詩の会にまひろとききょうもそれぞれ父に連れられて参加していた。まひろは遅れて出席した道長が気になって集中できずにいたが、物怖じしない利発なききょうは、博識を堂々と披露。発言した後も得意満面で、講師を務めていた父親の清原元輔(大森博史)が恐縮してききょうに注意を促すほど。

 観ていて清々しいほど、自分の気持ちに正直な女性としてききょうは存在している。周囲から(とくに平安貴族の優秀な殿方やライバルから)は「なまいきだ」「得意気な顔で賢いことをひけらかして」などと言われるのも承知の上。むしろ彼女のことだから、悪口も自分への嫉妬によるものと受け取り、嫌味も称賛ゆえと解釈していたに違いない。

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