森川葵が語る、『大奥』の“嫌われ役”お知保の優しさとつらさ 「ずっと孤独で寂しい」
「側室記念」に手袋をプレゼントしてくれた亀梨和也
――森川さん自身はお知保を演じていて楽しいですか?それとも難しい役だと感じていますか?
森川:難しいですし、つらいと感じる方が多いですね。誰の気持ちもお知保に向いていないと思う瞬間がたくさんありますので。倫子とお品にはきちんと2人の絆があるけれど、お知保は松島様と絆があるわけではないし、ほかの人たちとも何かがあるわけではない。ずっと孤独で寂しいけれど、それに耐えてやっていかなきゃいけないという気持ちの方が強いですね。
――現場では、お知保の感情に左右されながら演じている?
森川:左右はされませんが、演じていて可哀想だなとは思います。お知保はずっとつらいし、全然報われない。本当に可哀想だと思いながら演じています。もちろん演技以外では普通に小芝風花ちゃんとも仲良しでいます。全然孤独ではありません(笑)。
――第7話で流れが変わってから、SNSでも「お知保には幸せになってほしい」という声も聞かれます。
森川:本当ですか? うれしいです。私の元に届いているのは、どちらかというと「お知保嫌い」というような声でした。だから、「幸せになってほしい」という声が世の中に上がっていたと思うとすごく嬉しいです。本当はいじめたくていじめているわけじゃないですし、お知保が一番つらいことは私がよくわかっているから、みんながようやくお知保の優しさやつらさに気づいてくれたのだと思うと、とても嬉しいです。やっていてよかったです。
――家治役の亀梨和也さんの印象はいかがですか?
森川:少しクールですが、話すと優しくて、いろいろなことを教えてくれます。先輩だという空気を感じますね。基本的に芝居の中で親しくなることもありませんし、側室のシーンを少し前に撮ってからは一緒に演じるシーンもほとんどないので、なかなか喋る機会もないんです。でも側室として一緒にお布団に入るところのシーンを撮っていたときに、私がすごく寒くて手袋を買おうとしていると話していたら、「側室記念」と言って手袋をプレゼントしてくださいました。
――演技を見て刺激を受けた方はいますか?
森川:撮影初期の頃に、いじめられていた倫子が「それでも私は立ち向かっていく」と強く言うシーンがありました。その撮影をしたときにはすごく鳥肌が立ちましたね。風花ちゃんの「私は信念を曲げません」と純粋に真っ直ぐ前だけを見つめるようなお芝居を見て、「この子だから倫子ができるんだな」と思いました。これだけいじめられても逃げることなく前に進んでいく強い芝居ができるというのは本当にすごいと思いました。
――今後の展開で視聴者に注目してほしいポイントがあれば教えてください。
森川:お知保、お品、倫子が「どう生きていくのか」という部分です。これまで「大奥」という同じところに囚われて、自分の目の前のことしか見えずに生きてきた人たちが、これから広い世界を見ていくことになると思います。3人のそれぞれがどういう人生の選択を取るのかに注目して観ていただけたらと思います。
――第8話以降の見どころも教えてください。
森川:この先、お知保にとって悲しい事件が起こります。その姿に一人でも寄り添ってくれる人がいたらいいなという気持ちです。だんだん物語の方向が定まり、終盤に向かっていくときなので、この瞬間を見逃さずに、最後までみんなの人生を見届けてほしいという気持ちでいっぱいです。
■放送情報
木曜劇場『大奥』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:小芝風花、亀梨和也、西野七瀬、森川葵、宮舘涼太、栗山千明、安田顕ほか
脚本:大北はるか
企画:安永英樹
プロデュース:和佐野健一、清家優輝、出井龍之介、庄島智之
演出:兼﨑涼介、林徹、二宮崇、柏木宏紀
音楽:桶狭間ありさ
制作協力:ファインエンターテインメント
制作著作:フジテレビジョン、東映
©︎フジテレビ
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