『不適切にもほどがある!』渚の母の正体が判明 痛快さに加えミステリーとしての面白さも

『不適切にもほどがある!』渚の母の正体

 いつの時代も、人が人と繋がりたいという思いの強さは変わらない。その思いの強さがゆえに、メッセージアプリやSNSがここまで生活に浸透したのだと思うし、その付き合い方に多くの人が苦悩しているのもその証拠だ。「体当たり」とまではいかずとも、画面越しではなく行動に移すことで開かれる未来があるというもの。だから大事な言葉は、どんなに技術が発達して使用するツールが変わっていったとしても、直接伝えなければならないのかもしれない。

 「これから言うことは真実だから、真に受けてほしい」そう真剣な眼差しで市郎に切り出したのは、〈SNSは本気で向き合う場所じゃない〉と歌った張本人の渚(仲里依紗)だ。市郎とキスをしようとするとビリビリと弾き飛ばされてしまうことから、タイムパラドックスを確信した渚は、自分の父親と市郎を引き合わせる決意をする。そんなことはつゆ知らず、渚との関係が深まったと勘違いした市郎は意気揚々と待ち合わせ場所へ。「はじめまして、お父さん」と声を掛けたところ、逆に渚の父親から「お父さんですよね?」と返されてしまう。

 渚の父・ゆずる(古田新太)が、市郎を「お父さん」と呼ぶということは、渚の母は市郎の娘・純子で間違いなさそうだ。つまり、市郎は渚の祖父になる。このまま令和で市郎と渚が結ばれてしまっては、歴史が大きく変わってしまうということだろう。しかし、気になる点は他にもいくつかある。渚は家族構成を問われたときに、父と1歳半の息子と3人暮らしだと語っていた。そして、市郎の名前を聞いても渚がピンとこなかったことを考えると、もしかしたらすでに市郎も……。自分、そして最愛の純子の死について知ったとき、市郎がどんな行動に出るのだろうか。

 また、ゆずるという人物についてもまだまだわからないことだらけ。名前も年齢も合わないことから、そのまま昭和に生きるキヨシが純子と結ばれる線はなさそうだ。そもそもキヨシが純子と接触をしてもタイムパラドックスのビリビリが起きないのも謎のひとつ。もしかしたら、次回「重要な役柄」として出演が発表されている錦戸亮がキーマンとなるのだろうか。

 昭和と令和、それぞれの時代の行き過ぎたところをツッコむ痛快さに加えて、一気にミステリーとしての面白さも深まってきた本作。このドラマがどこに向かって駆け抜けているのか全く見えない。ただ、視聴者の多くがビリビリするほど夢中になっている熱気は伝わってくる。もしかしたらこのドラマに触れたことで、私たちの未来が少しずつ変わっているということだろうか。

■放送情報
金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:阿部サダヲ、仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、坂元愛登、三宅弘城、袴田吉彦、中島歩、山本耕史、古田新太、吉田羊
脚本:宮藤官九郎
プロデュース:磯山晶、勝野逸未
演出:金子文紀ほか
主題歌:Creepy Nuts「二度寝」(Sony Music Labels)
編成:河本恭平、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/futekisetsunimohodogaaru/
公式X(旧Twitter):@futeki_tbs
公式Instagram:futeki_tbs

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