映画『ゴールデンカムイ』の次に観るべきはアニメ版? “変顔”まみれのギャグシーンは必見
実写映画『ゴールデンカムイ』が1月19日に全国の映画館で公開され、大きな熱狂とともに受け入れられている。原作は累計2,700万部を突破したメガヒットコミックで、TVアニメも4期まで制作されているが、実写化をきっかけとして同作に初めて触れたという人も多いかもしれない。
※本稿は映画のラストシーンに一部触れています。
そこで本稿では、今後“ゴールデンカムイ沼”にハマりたい新規ファンの人々に向けて、実写版と原作の対応関係やアニメ版の魅力について紹介していきたい。
同作は明治末期の北海道を舞台として、莫大な金塊をめぐるサバイバルが巻き起こるという作品。実写版では「不死身の杉元」の異名をもつ主人公・杉元佐一役に山﨑賢人が抜擢されており、アイヌの少女・アシリパ役は山田杏奈が演じている。その見どころとしては、原作の世界観とストーリーを忠実に再現していることが挙げられるだろう。
山﨑が演じる杉元のアクションシーンはもちろん、大自然の驚異・ヒグマや豊かな文化を背景としたアイヌ料理に至るまで、『ゴールデンカムイ』ならではの魅力がとことん詰め込まれている。
またシナリオ面の再現度も高く、「脱獄王」の異名をもつ天才脱獄犯・白石由竹(矢本悠馬)との出会い、冷徹なスナイパー・尾形百之助(眞栄田郷敦)との対決、小樽の街で繰り広げられる陸軍最強「第七師団」との戦いなど、原作序盤のストーリーが展開されており、最後は続編を匂わせる結末によって幕を閉じた。原作で言うと、大筋としては第3巻に収録された第20話までのエピソードが消化されている。
128分の上映時間で、全314話ある原作のうち10分の1以下しかストックが減っていないと考えると、どれだけ丁寧なシナリオとなっているのか分かるだろう。ただ、その分あまりストーリーは進んでおらず、金塊争奪戦がさらに白熱するのは次回作以降のことになりそうだ。
あらためて振り返ると、今回の実写化ではいくつもの勢力が登場したものの、本格的な戦闘シーンがあったのは杉元たちと「第七師団」のみ。たとえば元新選組の“鬼の副長”こと土方歳三(舘ひろし)に関しては、柔道の達人・牛山辰馬(勝矢)と同盟を結び、何やら暗躍を始めるところまでが描かれていたものの、まだまだ本領を発揮していない。
また映画のラストでは、さまざまなキャラクターたちが“顔見せ”を行うシーンも。キロランケ(池内博之)やインカラマッ(高橋メアリージュン)のほか、辺見和雄(萩原聖人)、二瓶鉄造(小澤征悦)、家永カノ(桜井ユキ)といった顔ぶれが並んでおり、続編に期待せざるを得ない終わり方となっていた。
さらに今回の実写版では、杉元とほかの登場人物のあいだにさまざまな因縁が発生したところも描かれている。尾形との関係に始まり、双子の片割れを失った二階堂浩平(栁俊太郎)や、金塊争奪戦で杉元に目を付けた鶴見中尉(玉木宏)など……。続編があるとすれば、そうした因縁の行方に焦点が当たることは間違いなさそうだ。