“迷宮の秘宝”を得たらどんな願いを叶えたい？

ーーニンついて触れられましたが、演じる本渡さんはどのようにこの役を受け止めましたか？

本渡：この役を演じるご縁をいただいてから、頑張るぞと思い、台本を読んだり役に入ったりして彼女について考えました。言いたいことをズバッと言う性格が本当に魅力的だと思います。仲間が辛い時に自分が代わりに役割を担うようなところが素敵だったので、そこをどのように演じていこうかなと思いました。彼女自身がルードにいろいろな思いを抱いているんです。そういったところも本当に愛らしいので、シーンに合わせた表情を作りあげ、魅力の違いを演じていけたらと感じながら演じています。ルードは本当に落ち着きがありますね。あと目の下に入るシワ（？）が、すごく好きなんです。落ち着いて見えるというか、おじさんに見えてしまうところもあるのですが、旅の動機となっている妹への強い思いも好きです。ルナについては、まっすぐで何事にも吸収しよう、自分が役に立とうという気持ちがすごく強いので、そのまますくすくと育ってほしいなと思います。

市ノ瀬：最初は自分なりのルナとして感情を絞ってお芝居をしていたんですが、アフレコの現場でディレクションを受けた時に、想像していたよりもっと自分を出してよかったんだなと思いました。ルナは過去に本当にいろいろあった子なので、かわいらしさを保ちつつ悲しいお芝居を出すっていうのが結構難しかったです。でも、そこは結構しっかりと演じさせていただいきました。ルナは過去にすごく傷つくようなこと、一生残るようなトラウマとかがあったかもしれないんですが、ルードと出会うことによってどんどん変わっていくんです。自分自身の生い立ちを認めた上で、ちゃんと人間として歩んでいきたいというふうに気持ちを切り替えてからは、すごく周りにも打ち解けていった感覚があります。純粋で無垢なルナが本来持っている良さが、そこにしっかりと生きていっているんだなって思います。何より、ルナがルードと出会うことができてよかったです。

ーールードの持つ安心感に救われる感じですね。

市ノ瀬：お父さん感があるのがルードの居心地の良さに繋がってるのかなと思います。ルナがルードと出会うことができて、人間として普通の感情がどんどん育っていって、当たり前の日常とかも歩んでいけるようになるんじゃないかなと思います。どんどん幸せになっていってもらいたい子ですね。

ーーお互いの役に向かう姿勢についてはどのような感覚を持っていますか？

笠間：決して内向きのストーリーではなく外向きで、みんながいろいろなものを発散していき、ひとつずつ積み上げていくストーリーなので、それぞれのお芝居の構築の仕方も、みんなでひとつずつ積み重ねていくといった感じがすごくします。キャストたちも、1つのパーティーだなと思いながらやっています。誰のお芝居の構築がどうかなどといった感じではなく、このスタンスでやればいいんだね、という気づきを得ながらやっています。一緒になって作り上げている雰囲気です。

本渡：笠間さんにはすごく引っ張っていただいています。安定感というか安心感、誠実なルードが笠間さんの声とすごくマッチしていて、自然と守られている感覚になりますし、ルードに何か辛いことがあった時には、自分が守ってあげたくなるような気にもなります。ルードは他のキャラクターの何倍もワード数があり、戦う時だけでなくモノローグのセリフもあるのでその切り替えがすごいです。もしかしたらモノローグとセリフを一緒に演じていたりしますか？

笠間：そうですね。

本渡：すごいです。モノローグと本セリフの切り替えが素晴らしくて、それを見ながら自分も前向きに頑張ろう、負けないぞと高ぶる気持ちになります。加那ちゃんの演じるルナは、最初の頃は消えてしまいそうな感覚があって、守ってあげなくてはといった気持ちがすごくありました。ですが、物語の中でルナが自分なりに立ち向かって成長していこうと変化していくことが、加那ちゃんの声とお芝居から感じられるんです。すごく微妙なラインをお芝居で表現していて刺激を受けました。

市ノ瀬：笠間さんの演じるルードだからこそ、ついていきたくなる感覚があります。引っ張っていっている感覚はないのかもしれないけれど、自然とルードから感じられてルナもそれに安心感を抱いているから一緒にいるのかなと思います。それぞれのキャラクターの個性と、絶妙なバランスを保つのがすごいなって思っています。ニンも元気系のキャラに見えがちですが、いろいろと考えて自分なりの行動をしているんです。そうした葛藤や、やりたいことと今やるべきこと、仲間がどうしたいのかといったことを、みんなで感じ合い行動しているなと思います。演じているみんながキャラクターにリンクする部分を感じるので、だからこそ選ばれたんだなという感覚があります。

ーー物語の中でルードは、妹のマニシアの病気を治すためにどんな願いも叶えてくれる秘宝を手に入れようとします。みなさんが迷宮の秘宝を得たらどのような願いを叶えたいですか？

笠間：僕は分身したいですね（笑）。生放送に2本同時に出たりして、得た経験がひとりに戻った時に全部反映されたら良いですね。

本渡：魔法使いになりたいです。どうにかして空を飛びたいんです。あとは瞬間移動で少し旅行に行くとか、食べても食べても太らないとか。お風呂から上がったら一瞬で乾いた状態になるなんてこともできたら良いです（笑）。

市ノ瀬：体力「9999」が肩こりに効いたらなと思います。あとは寝なくても大丈夫とか。

笠間：寝なくて良いなら、分身もこれで出来てしまうかも。本渡さんは体力が「9999」あったら食べたいものを食べまくれてしまうので困りますね（笑）

ーー最後に声優として今後どのようなキャリアを歩んでいきたいと考えていますか？　笠間さんはデビューから10年を迎え主役も多く演じるようになりました。

笠間：我々はどこまでいってもその台本と向き合わないといけない職業だと思うんです。このぐらい読めば良いかではなくて、このくらいからもう50回読む、もう100回読むといった感じに真摯に台本と向き合えていける役者になっていきたいなと思います。今回の作品もそうですが、いつも素晴らしい座組に恵まれているので、そこでたくさんの素晴らしい役者さんと出会って、自分を高めていけたらという思いがあります。今回の作品でも成長させていただければと思います。

本渡：私は、楽しいことがしたくてこの仕事に行き着いたんです。いろいろな部活に入って行き着いた先が演劇部で、一番楽しいのが本読みだったから声優になろうと思い巡り合えました。なので、これからも何か楽しいことを見つけて刺激ある人生を送りたいなと思っています。アニメの仕事も一生懸命頑張りながら、例えば吹き替えの仕事や、何か別のジャンルにもいつか到達できたら、すごく素敵なことだなと思ったりもします。いろいろなジャンルに挑戦してみたいです。

市ノ瀬：現場に行くたびに、みなさん素敵だなって思うんです。芝居はもちろん人柄も素敵な方が多くて、そういう部分はお芝居にも反映されているんだなとて感じています。自分もそう思ってもらえるように、少しずつでもステップアップしていければいいなと思います。いろいろと幅広くお芝居をできるように今後は頑張っていきたいですね。自分が今までやったことないような役だったり、お芝居の仕方だったりとかを追求していけたらと思っています。

■放送情報
『最強タンクの迷宮攻略〜体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される〜』
ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠にて、毎週土曜26:00〜放送
ABEMAにて、26:30〜配信
出演：笠間淳、本渡楓、市ノ瀬加那、小倉唯、大橋彩香、優木かな、岡本信彦、久野美咲
原作：木嶋隆太・如月命（掲載『マンガUP！』スクウェア・エニックス刊）
キャラクター原案：さんど
監督：熨斗谷充孝
シリーズ構成：雨宮ひとみ
キャラクターデザイン：永井泰平
音楽：ビクターエンタテインメント
オープニング主題歌：「Brave」いれいす（ビクターエンタテインメント）
エンディング主題歌：「夢の中で」いれいす（ビクターエンタテインメント）
アニメーション制作：STUDIO POLON
製作：「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
©木嶋隆太・イマジカインフォス・如月命／SQUARE ENIX・「最強タンクの迷宮攻略」製作委員会
公式サイト：https://saikyo-tank.com/
公式X（旧Twitter）：@saikyo_tank