『ポケモンコンシェルジュ』は“現代の大人”に刺さる のん&ポケモンらしさ溢れる一作に

 主人公ハルの声を担当したのは、のんだ。ハルの演技にも、のんの“らしさ”が十分に活かされていたのではないか。実はその裏には、のんの演技を十分に活かすための工夫があった。

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 この作品では「プレスコ」という手法を採用し、先に声の録音を行い、その音声に合わせてアニメーションを制作している。そして『ポケモンコンシェルジュ』制作におけるポイントとなるのは、プレスコの際にのんの声だけでなく、彼女の演技もビデオで撮影された点だ。

 アニメーターはこの映像を参考にして、ハルの身体の動きや表情も表現していることから、ハルの動きの中にものんの特徴がしっかりと反映されているとのこと。そう思うと、少々抜け感のある雰囲気が愛らしい、応援したくなるヒロインは“のんっぽさ”を感じさせるハルだったように思える。

 また『ポケモンコンシェルジュ』では、アニメーション本編・劇場版の声を長年担当してきた大谷育江が、引き続きピカチュウの声を担当したほか、ハルがコダックを指差して「君に決めた!」と叫ぶシーンなど、従来のポケモンファンにとっても見逃せない魅力的なポイントが多数含まれている。序盤のオオタチがコラッタを追っているシーンについても、ポケモン図鑑に「てあしは みじかいが すばしっこく うごきまわって コラッタを おそう」とオオタチについての記述がある点を踏まえており、こうした小ネタを拾っていく面白さもあるだろう。

 日々の疲れをリフレッシュしたいなら、『ポケモンコンシェルジュ』に相談してみると素敵な出会いが待っているはずだ。全4話で構成され、さらに各話が約20分というのも、まさに“手軽なリゾート”でありがたい。ポケモンたちと共に日々の喧騒を離れ、癒しの旅へと足を踏み入れてみよう。

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