2023年の年間ベスト企画

田幸和歌子の「2023年 年間ベストドラマTOP10」 秀逸な脚本と若い才能に感じた希望

 脚本家が本当に描きたいものを描き、プロデューサーが本当に作りたいモノを作るーーこうした異例の過程を経て生まれた成功例は、ドラマの作り手たちに大きな刺激と希望を与え、また、脚本家にとって仕事をしやすい環境整備のきっかけになるのではないか。

 良い脚本があり、それを大事にするプロデューサーと演出家、役者陣のチーム力が揃ったら、必然的に良質なドラマが生まれる。そんな当たり前の、実にシンプルで、なおかつ最も難しいことをやり遂げた作品を今年の上位5作に選んだ。

 ちなみに、『離婚しようよ』は宮藤官九郎と大石静の「交換日記」形式で紡がれた共同脚本作品。『リバーサルオーケストラ』は、オケを扱う傑作ドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)があることと、あまりの出来の良さから漫画原作つきだと思われがちだが、清水友佳子のオリジナル脚本。つまり、1位から4位が全て脚本家のオリジナル脚本である。

 他に今年は、『わたしの一番最悪な友達』の脚本・兵藤るりと、蒔田彩珠×髙石あかり、『往生際の意味を知れ』の見上愛×青木柚、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の河合優実、『日曜の夜ぐらいは...』『セクシー田中さん』(日本テレビ系)などの生見愛瑠など、若い才能も際立っていた、希望を感じる1年だった。

参照

https://realsound.jp/movie/2023/12/post-1511878.html

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん 総集編』
NHK総合、BSプレミアム4Kにて同時放送
前編:12月30日(土)7:20〜8:45放送
後編:12月30日(土)8:45〜10:10放送
※各編85分 
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん「愛の花」
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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