藤原奈緒の「2023年 年間ベストドラマTOP10」 失ってしまった愛おしい時間に思いを馳せて

藤原奈緒の「2023年ベストドラマ」

染谷将太ら役者陣も最高の演技 『いちげき』が“平ら”にした現代社会にも通じる“呪い”

新年早々、凄まじいものを観た。宮藤官九郎が脚本を手掛けた正月時代劇『いちげき』である(NHK総合)。「正月時代劇」枠、さらには「…

 俳優陣の熱演が心に残る『大奥』(NHK総合)、『どうする家康』(NHK総合)も良かったが、何より衝撃的だったのが、宮藤官九郎脚本『いちげき』。歴史を作った立役者はほとんど出てこず、非正規部隊のみを描いた本作は、それゆえに残酷で、生々しい。また、宮藤脚本・監督の『季節のない街』(ディズニープラス)も、切なくて愛すべき人たちの日常を描きつつ、それが「なかったことにされる」現代の危うさをも呈示しており、実に興味深かった。

『日曜の夜ぐらいは...』が映し出す“家族愛”の素晴らしさと厄介さ 理想郷の幸せを願って

岡田惠和がオリジナル脚本を手掛けたドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が7月2日に最終話を迎える。 …

 優しいようでいて、残酷な現実が見え隠れする岡田惠和脚本『日曜の夜ぐらいは...』は、ハッピーエンドを描いているようで、肝心なところはヒロインによる「こうあったらいいのに」の夢として描かれる。その切なさは、2023年にこの世界に生きている「全ての戦士たち」の現実の過酷さの記録とも言える。

『きのう何食べた?』永遠に観ていたい“愛しい時間” S2で変わったもの/変わらないもの

変わらないもの。変わっていくもの。絶妙に組み合わされた、その塩梅の心地よさ。それはまるで、互いを思いやる気持ちによって生まれた、…

 安達奈緒子脚本『きのう何食べた? season2』は、シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)の2人が、より一層互いを思いやりながら歳を重ねていくこと、彼らと社会との緩やかな繋がりが殊更丁寧に描かれていることの素晴らしさに尽きる。野木亜紀子脚本『連続ドラマW フェンス』は、知っているようで何も知らなかった沖縄について学べる作品であるとともに、松岡茉優と宮本エリアナ、そして新垣結衣が丁寧に演じた、女性たちの連帯のドラマとして特筆すべきものがあった。

■放送情報
『ブラッシュアップライフ』
日本テレビにて、12月28日(木)6:00〜11:25、12月29日(金)6:00〜10:30一挙放送(関東ほか)
TVerにて配信
第1話:12月28日(木)6:00〜2024年1月3日(水)20:59
第2話〜第4話:12月28日(木)6:00〜12月30日(水)11:59
第5話〜第7話:12月30日(土)12:00〜2024年1月1日(月)11:59
第8話〜第10話:2024年1月1日(月)12:00〜2024年1月3日(水)20:59
Huluにて全話配信中
出演:安藤サクラ、夏帆、木南晴夏、松坂桃李、染谷将太、黒木華、臼田あさ美、鈴木浩介、水川あさみ、バカリズム
脚本:バカリズム
演出:水野格、狩山俊輔、松田健斗
プロデューサー:小田玲奈、榊原真由子、柴田裕基(AX-ON)、鈴木香織(AX-ON)
チーフプロデューサー:三上絵里子
企画協力:マセキ芸能社
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/brushup-life/

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