三浦貴大が語る、“バディ”趣里への信頼感 『東京貧困女子。』は“知るきっかけ”に
「趣里さんがやる芝居だったら間違いない」
――共演された趣里さんとお芝居を作っていく中で、何かコミュニケーションを取られましたか?
三浦:趣里さんとは何度か共演していますけれど、僕は基本的に彼女を信頼しているし、趣里さんがやる芝居だったら間違いないだろうという気持ちがあるので、特別なことはなにもありません。細かいところでは、「セリフをもうちょっと早く入っていい?」とか、「もうちょっとテンション上げる?」などの話はしましたけれど、本当にそのくらいです。
――趣里さんが演じる摩子についてはいかがでしょう?
三浦:本当に大変な状況の話がたくさんあるけれど、結局﨑田がインタビューしに行くのは、自分が困っていることを自覚している人たちが多いんですよね。その中で摩子が、自分がまさか貧困であるということに全く気づいていないというのが僕はすごく印象的でした。そこは、「貧困ってこんなに身近にあるんだ」と僕が気づいたことと似ていて、摩子自身が、貧困が身近にあることに気付いていなかった人物の象徴のような気がしています。
――摩子自身も、自分は貧困のボーダーラインにいるというニュアンスの台詞がありましたね。
三浦:僕にとって一番印象に残っているのも摩子の親の話です。改めて自分が今置かれている状況にすごく感謝するようになりました。僕の父親は71歳になるのにまだ元気に働いている。それが、すごくありがたいことなんだと改めて思いました。
――視聴者の方に作品から感じ取ってほしいものは?
三浦:こういう状況を知らない人たちに関しては、まず知ってもらうことが一番だと思います。作中で、大学生が貧困の問題を抱えながら部活をやっていたことで炎上したりもしました。もしも同じように、甘えだとか部活を辞めればいいという発想が出たのなら、そこに留まらずに貧困が実際はどんなものなのかを調べ直してもらえたらいいなと思います。それで考えが変わるのか変わらないのかは人それぞれの価値観ですが、この作品が調べたり考えたりすることのきっかけになったらうれしいですね。
――確かに、そういうきっかけになる作品だと思いました。
三浦:やはり、誰しも先入観みたいなものがあるんでしょうね。この作品でも医学部に行きながら貧困である子の問題が描かれていましたが、医学生はみんな金持ちだというイメージがあるのかもしれなせん。まずはそういう先入観を一回振り払うためのいいタイミングに、このドラマがなってくれれば嬉しいです。
――撮影に入る前と後で、三浦さん自身に変化はありましたか?
三浦:自分自身、人との会話の中でなんとなく配慮をするようになりましたね。ドラマの中のような事実がこんなに身近にあるのだから、目の前の相手にもいろいろな事情があるかもしれないということに気付けるようになりました。
――これまでもWOWOWはたくさんのドラマを制作してきましたが、どんな印象を持っていますか?
三浦:WOWOWのドラマは、一視聴者として本当に楽しんで観ています。やはり地上波で描くことが難しい部分も、WOWOWならできるというのが非常に面白い部分だなと思います。
――まさにこの『東京貧困女子。』もそういう作品です。
三浦:もう一つ、出演者として印象的なことがあります。地上波の連続ドラマは撮影中に台本が徐々に上がってくることが多いのですが、WOWOWの場合は最初に全ての台本がそろっているんですよ。役者としては、それがどれだけありがたいことかは毎回感じております。
――確かに、自分の役がどうなるかわからないまま芝居をするというのは難しそうです。
三浦:ずっと仲がいいキャラクターだと思って演じていたら、途中からすごく仲が悪くなっている!と動揺したり(笑)。だいたい作中で死ぬときだけは「三浦さん、4話で……」みたいに前もって心構えができるよう伝えてはくれるんですけれどね。そういうわけで台本が先にあるのは本当にありがたい。そこはWOWOWさん最高です!
――最後に『東京貧困女子。』の見どころを教えてください。
三浦:繰り返しにはなりますが、こういうことが身近にあると知ってもらえるきっかけになってほしいですし、改めて考え直すきっかけにもなると思います。多くの方に事実を知ってもらえればいいなと思います。
■放送・配信情報
連続ドラマW-30『東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-』
WOWOWにて放送・配信中
【WOWOWプライム】毎週金曜23:00〜放送
【WOWOWオンデマンド】各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信
出演:趣里、三浦貴大、霧島れいか、宮澤エマ、田辺桃子、安斉星来、東風万智子、金澤美穂、高田夏帆、樋井明日香、三浦獠太、梅舟惟永、川島潤哉、柿丸美智恵、淵上泰史、高橋ひとみ
原作:中村淳彦『東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか』(東洋経済新報社刊)
脚本:高羽彩
監督:青木達也、遠藤光貴
音楽:田渕夏海
主題歌: THE YELLOW MONKEY 「ホテルニュートリノ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
企画・プロデュース:大木綾子
プロデューサー:小髙史織、遠藤光貴
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:WOWOW
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/hinkon/
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