『マイ・デーモン』ソン・ガンがデーモン界の貴公子に 2023年を締めくくる良作の予感

 目覚めたグウォンは、自分の魔力がなくなったことに気づき、ドヒの手に自分の十字架の印があることに驚愕する。一方のドヒは、自分の手に十字架の印があるのを見つけ、何かのタトゥーだと思い込む。魔力をなくしたグウォンは、ドヒにつきまとい魔力を取り戻すために試行錯誤する。そして、ドヒの手を握ると魔力が使えることに気づいたグウォンは、願いを叶える代わりに命の時間を奪う契約をした人間との契約遂行のため、ドヒを連れていく。

 人間の命を刈り取るときに、どこか愉しげな表情を浮かべるソン・ガンがカッコいい。目の色が赤くなり、デーモンモードになったグウォンの色気と恐ろしさに目が離せなくなる。ソン・ガンがこれまで演じてきた、どこか幼さが残るようなかわいい役柄から一転、本作で演じているグウォンは、抗えない強力なカリスマ性を帯びている。

 オープニングでは、たくさんの人間と契約した証であろう無数の“命の時計”に囲まれ、ブラックコートを着たグウォンの姿が映し出される。このイントロだけでも、何度もリピートしたくなる最高の出来栄えだ。どこか大人気ドラマ『トッケビ』を彷彿させる演出で、幻想的で魅力的なデーモン、グウォンにすっかり魅入られてしまった。

 グウォンという名前は、韓国語で“救済”という意味を持つのだが、グウォンの手にある印が十字架なのも気になるところだ。人間を守り、守護する存在であったデーモンのグウォンが、救済するのは一体誰なのか。かつて人間であったというグウォンが、どんな理由でデーモンとなり、長い年月を人間と契約をしながら生きてきたのか。その背景も今後明かされるだろう。第1話、第2話ですでに名作の雰囲気が漂う本作だが、ここからさらに“グウォン沼”に溺れる視聴者が続出するのは間違いない。ソン・ガンとキム・ユジョンが創り上げる世紀のファンタジーロマンチックコメディは、きっと今後語り継がれる一作になるだろう。

■配信情報
『マイ・デーモン』
出演:ソン・ガン、キム・ユジョン、イ・サンイ
原作・制作:チェ・アイル、キム・ジャンハン、クォン・ダソム
(写真はSBS公式サイトより)

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