『イカゲーム2』が待ちきれない! キャスト出演のオススメ韓国映画3選

 Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』の続編である『イカゲーム2』が制作されている。世界中で待ち望まれている本作は、2023年末から2024年頭ごろに配信される予定のようだ。

 借金持ちのプー太郎でギャンブル狂というダメ男の主人公、ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)はひょんなことから大金をかけたサバイバルゲームの参加者となる。それは「だるまさんが転んだ」をはじめとする子供の遊びのトーナメントなのだが、負けてしまうと射殺されて命を失うというものだった。ギフンは生死をかけたゲームを通して、自分自身の人生を見つめ直していく。

 韓流コンテンツに興味がなくても名前だけは聞いたことがある、という人も多いのではないだろうか。その人気ぶりは凄まじく、韓国のみならず世界中で大ヒット。第74回プライムタイム・エミー賞では英語以外の言語の作品で史上初めて作品賞や演技賞にノミネートされ、6つの賞を受賞。オ・イルナム役のオ・ヨンスは、ゴールデングローブ賞テレビ部門で助演男優賞を受賞した。

 また、Netflix自体にも大きく貢献し、史上最高値の株価を更新(当時)。もともとは細々と映画制作をしていたファン・ドンヒョクが低コストで作り始めた『イカゲーム』は、化け物級のビッグコンテンツとなった。

『イカゲーム:ザ・チャレンジ』Cr. Courtesy of Netflix © 2023

 11月22日からは、一般人が実際にイカゲームを体験する『イカゲーム:ザ・チャレンジ』がNetflixにて配信開始される。本編と同じく、賞金を受け取れるたった一人の優勝者を目指して命懸けでゲームをプレイしていく仕様になっている。いい夫婦の日に蹴落とし合いのデスゲームが配信されるのは少し皮肉めいているかもしれない。

 前作からは主演のイ・ジョンジェをはじめ、イ・ビョンホン、ウィ・ハジュン、コン・ユらが引き続き出演するようだ。新キャストには元IZ*ONEのチョ・ユリのほか、元BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョン、ウォン・ジアン、カン・エシム、イ・デイヴィッド、ノ・ジェウォン、イ・ジヌク、パク・ギュヨンが決定している。また、追加キャストとしてイム・シワン、カン・ハヌル、パク・ソンフン、ヤン・ドングンの出演も発表されている。

 続編を楽しみにする気持ちが抑えられずソワソワしてしまう人も多い今、『イカゲーム2』の出演者が活躍するおすすめの韓国スリラー作品を紹介したい。

『スマホを落としただけなのに』(イム・シワン出演)

『スマホを落としただけなのに』予告編 - Netflix

 「このミステリーがすごい!」で隠し玉として書籍化された小説『スマホを落としただけなのに』(著:志駕晃)。北川景子、田中圭、成田凌、千葉雄大といった豪華なキャストで映画化され大きな話題となった。

 今作はその韓国リメイク版で、基本となる設定は日本と同じ。若い女性がうっかりスマホを落とし、無事にスマホが戻ってきた日を境に不可解な出来事が起こり始めるというストーリー。しかし、構成や演出は全く異なる。日本版がミステリーサスペンスなのに対し、韓国版はサスペンススリラーとして製作されており、まるで別作品のように仕上がっている。

 韓国版では冒頭から犯人が誰かわかる状態で物語が始まる。犯人役を演じるのはイム・シワン。用意周到で倫理観のない静かなサイコパスを見事に演じきっている。

 彼はバスの中で女性のスマホを拾い、日本版と同じくそれを乗っ取って様々な罠を張り巡らせていく。しかしその罠は、日本版よりも容赦がない。ターゲットの女性の大切な人間関係も、職場も、父親さえも、全てが犯人にとってのターゲットなのだ。

 しかも日本版ではスマホを落とした主人公に婚約者がいたのに対し、韓国版の女性には彼氏すらいない。孤立無縁で四面楚歌、まるで袋の中のネズミ。この映画を観たあと、スマホとイム・シワンが恐ろしくならない人はいないだろう。

『記憶の夜』(カン・ハヌル出演)

 もしもあなたの大切な人が、ある日突然、そっくりな成りすましにすり替わったかもしれなかったら? そして、それに気付いているのがたったひとり、自分だけだったとしたら?

 カン・ハヌル演じる主人公ジンソクには、自慢の兄がいる。文武両道で性格もよくユーモアにも富んでいる兄は、1年前に事故によって怪我した左脚を引きずって生活している。

 ジンソクと兄、そして両親は引っ越し先で穏やかに過ごしていたが、ある雨の日、ジンソクの目の前で兄が拉致されてしまう。事件から19日後、その19日間の記憶をなくした兄が帰宅。喜ぶジンソクだったが、大好きだった兄の何かがおかしい。外見も話し方も兄のままなのに、得体の知れない違和感がジンソクの日常を蝕む。

 初見は読めない展開に息を呑み、2度目以降は見事な伏線に心が締め付けられる。ハラハラなストーリーを楽しんだあとは韓国特有の繊細な心情描写を味わえる、ちょっぴり隠れた名作だ。

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