古川雄大と瀧山は正反対? 『大奥』は「私たち一人ひとりに問いかけてくるお話」

 よしながふみの漫画を原作に、男子のみが罹患する奇病の蔓延で男女の立場が逆転した江戸パラレルワールドを描くNHKドラマ10『大奥』のSeason2。初回の放送でわずかな出演ながら、注目を集めたのが瀧山役の古川雄大だ。瀧山は老中・阿部正弘(瀧内公美)にその才覚を見出され、大奥最後の総取締役となる人物。

 Season1を一ドラマファンとして視聴していたという古川は、この物語のどこに魅力を感じているのか。初の時代劇出演で苦労したことや、役の上で長年時を共にする胤篤/天璋院役・福士蒼汰との現場でのエピソードについても聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

瀧山を演じる上で大事にしたのは“まっすぐな視線”

――瀧山役でオファーを受けた時の心境を教えてください。

古川雄大(以下、古川):これまで僕は時代劇をやったことがなく、どちらかといえば舞台でも髪を染めて西洋の人物になりきることが多かったので、日本の時代劇、特にまげ姿は自分に似合わないだろうと思い込んでいたところもありました(笑)。今回、お話をいただいたときはとても驚きました。またSeason1は大好評というお話も伺っていましたし、僕自身も拝見させていただいていたのですが、物語もキャストの皆さんの演技も本当に素晴らしかったのでプレッシャーがありましたね。嬉しい気持ちもありつつ、瀧山という役を全うできるだろうかという不安もありながら、大きなチャンスをいただいたのでしっかり頑張ろうという気持ちになりました。

――Season1もご覧になっていたとのことですが、この物語のどこに魅力を感じていましたか?

古川:謎の疫病である赤面疱瘡が蔓延し、男女の立場が逆転するという大筋がありながら、中島裕翔さん演じる水野、福士蒼汰さん演じる有功、山本耕史さん演じる右衛門佐とその時代の将軍にそれぞれスポットが当たり、さまざまな愛の形が描かれ、その思いが受け継がれていくところに魅力を感じていました。そして、冨永愛さん演じる吉宗が「没日録」を通じて大奥の歴史を振り返り、受け継がれてきた思いに気づくという展開も面白くて。全てのエピソードにおいて切なさはありながらも、それを乗り越えていく人間模様が多くの方の心に刺さるのだろうなと思います。

――ご自身が演じられる瀧山についての印象はいかがですか?

古川:台本を読み進め、実際に衣装合わせをして監督や演出家の皆様とお話をさせていただく中で。瀧山はとにかく魅力的で、いろんな面を持っていて忠義に厚く、人を思う気持ちがとても強い。皆さんに応援していただけるような人物なのではないでしょうか。

――瀧山は頭脳明晰でありながら天然なところもある、その相反する面をどう演じられたのでしょうか。

古川:瀧山は多少のユーモアもあるのかもしれませんが、基本的にはど真面目でプライドや負けん気の強さもある。そこが人から滑稽に見える、彼の天然っぽさなのかなと思っています。ただ僕が時代劇というイメージを強く持ち過ぎてしまっていたのか、撮影が始まったばかりの頃は瀧山の真面目な部分を全面に押し出してしまい、彼の良さを出しきれていませんでした。監督から「もう少し大らかに」とアドバイスをいただいて、ようやく役が掴めたような気がします。また瀧山は目力があり、そこに彼の頭の良さが表れていると感じたので、まっすぐな視線を意識しました。

――他にも役づくりで苦労された部分はありましたか?

古川:今回は役づくりの面でスタッフの皆さんにたくさんサポートしていただきました。例えば、その時代に応じた所作や言葉遣い、イントネーションなどを一から徹底的に指導していただきました。それでもやはり台詞が難しく、なかなか覚えられなくて苦労しましたね。ちょうどオファーをいただいた時が『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)の撮影中で、春日局役の斉藤由貴さんと現場でいろいろとお話をさせていただき撮影に挑みました。

――Season1では視聴者側だった古川さんが、「大奥の世界に入ってきたな」と実感できた場面は?

古川:セットもすごかったですし、初めてフルメイクで豪華な衣装を身にまとった瞬間です。あとは現場の雰囲気。皆さん一人ひとりがこの作品に愛情を持って臨んでいらっしゃることをひしひしと感じました。それこそ、瀧山が着る裃も背中の流水紋がより美しく流れるように3回ぐらい入れ直してくださったそうです。

――実際に流水紋を背負ったご自身を見ていかがでしたか?

古川:背中に入っているので直接は見れていないのですが、写真で拝見した時は圧倒されました。瀧山憧れの流水紋をとても綺麗に仕上げてくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。決め台詞の時も流水紋を羽織っているので、オンエアを楽しみにしていてください。

――ちなみにご自身では似合わないと思っていたまげ姿や、瀧山の陰間時代の花魁姿はいかがでしょうか。

古川:まげ姿が似合うかどうかは、自分では正直わからないので、視聴者の皆さんの判断に委ねたいと思います(笑)。ただ、花魁姿に関しては皆さんに「わ! 綺麗だな」と思っていただけたら嬉しいです。そこにもまだ不安は残っていますが、女性らしさを表現できるように心がけました。女性の歩き方や動きを細かく意識しながら表現しつつ、それが時代設定に合っているのかどうかを現場で確認させていただきました。

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