『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』地上波初放送! 知っておきたいトリビア解説
11月3日と11月10日、2週にわたって『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が日本テレビ系列の『金曜ロードショー』枠で放送されます。
今回は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』について解説しましょう。なおこのコラムは、①本作を今回初めて観るという人のためのネタバレなし、②既にも観ている人のためのネタバレあり、の2部構成でお届けします。
本作を楽しむための予備知識(ネタバレなし)
この作品は、トム・ホランド主演の『スパイダーマン』映画としては2作目になりますが、アベンジャーズを核とするマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の一部でもあります。
なので、MCUの中におけるスパイダーマンの登場作としては5作目、さらにMCU作品としては23作目となります。なぜ長々とこの話を書いたかと言うと、本作はあの衝撃作『アベンジャーズ/エンドゲーム』の次に来る作品なのです。
というわけで、この作品を楽しむためにはMCUにおけるスパイダーマンの位置づけと『アベンジャーズ/エンドゲーム』でなにがあったかを振り返る必要があります。ざっと書くと、以下の通りです。
高校生のピーター・パーカーは特殊な蜘蛛に噛まれ、蜘蛛の力を持つ超人になります。その力を人々のために使おうと目覚めたピーターは、スパイダーマンとしてニューヨークで活躍する街のヒーローとなります。ピーターは素性を隠しスパイダーマンとして活躍します。
そして、ピーターの住む世界は、彼以外にもたくさんのヒーローがいます。特にアベンジャーズが有名ですね。中でもアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)はピーターを見出し、彼の師匠的役割を果たします。それまでピーターはお手製のスパイダースーツを着ていましたが、トニーから送られたハイテクなスパイダースーツを装着するようになりました。
しかし、ここで大きな事件が起こります。絶大な力を手に入れた宇宙の魔人サノスが銀河の環境を守るため、全宇宙の生命を一瞬にして半分に消滅させたのです(サノスが指をパチンとならすだけで半分が消えてしまったので俗に“指パッチン”とも言われます)。これによりピーターも消滅してしまいました。
残されたヒーローたちは5年後、もう一度立ち上がり消えた生命を元に戻します。しかしその戦いでトニーは命を落とします。5年ぶりにこの世界に戻ってきたピーターですがトニーとの別れという悲劇を経験します。
ピーターに親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)、密かに想いをよせる女の子MJ(ゼンデイヤ)、そして親のいないピーターを育ててくれたメイおばさん(マリサ・トメイ)、さらにトニーの親友で彼のアシスタントを務めていたハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)らがまわりにいます。ネッドたちも5年間消えていました。
こうした流れを受け『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が始まります。ピーターはトニーを失った喪失感にさいなまれながらも、失った青春を取り戻そうとします。さらに世界は5年間の空白があったが故にまだ混乱が続いていており、アベンジャーズが事実上いなくなってしまったことで新たなヒーローを求めていました。そこにミステリオ(ジェイク・ギレンホール)という新ヒーローが現れるのですが……。