『呪術廻戦』「渋谷事変」“禪院全員集合!”が意味すること 伏黒甚爾の暴走がいま始まる

 甚爾は、約10年ぶりにこの世に復活した。しかし“生き返り”かと言われれば、厳密にはオガミ婆の孫の体と魂を“器”とし、甚爾の情報を持った「何か」と捉えた方がいいかもしれない。彼といえば、元は禪院の人間だったが呪力を持たないフィジカルギフテッドのため実家には呪われ、家を出た。禪院家を呪い、呪術界を呪った男。そんな彼を目の当たりにする直毘人は甚爾にとっては叔父の立場にある。直毘人の兄の息子である甚爾、そして直毘人の弟の娘が真希と真依なので、真希にとっては“従兄弟”だ。しかし、彼女は彼と面識がない。でも直毘人はある。

 呪力を持たない甚爾は、呪霊と戦えても祓うことはできない。御三家が最も大切にする存在が“もちろん呪力を持った上で”相伝の術式を継いでいる子供だ。言ってしまえば禪院家は御三家の中でも特にその気が強く、「禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず」なんて家訓もある。相伝の術式は「十種影法術」「投射呪法」の2つであり、それを持たないものは落伍者として生きることになるのだが、彼らからすると“何も持たない”甚爾は忌み嫌われ、子供の頃から嫌がらせを受けていた。彼の口元の傷も、禪院家が呪霊の群れに彼を放り込んだ時についたものである。相伝の術式「投射呪法」を持っている時点で確実に優遇された現在の禪院家当主の直毘人は、甥っ子がそんな目に遭っていたのを止めなかったのかもしれない。そして今、目の前に現れた鬼神のような甚爾をどう受け止めるのか。

 一方、かつての禪院家の甚爾のポジションにいるのが真希である。同じくフィジカルギフテッドである彼女は、力こそ強いが呪力は一般人並み。呪霊を視認することもできない。加えて甚爾と違って女として禪院家に生まれた彼女の待遇は、ひどいものだった。甚爾がそうしたように、禪院家を出て高専にやってきた真希の夢は禪院家の当主になって内側からぶっ壊すこと。そんな彼女にとって甚爾はインスピレーションを与える存在になるだろう。

 真希と同じく甚爾を認識できない恵は、ついに10年ぶりに父親との再会を果たす。彼も禪院の相伝術式「十種影法術」を継ぐものだったゆえに、本来なら禪院家に売られて直毘人のような高い地位が約束されるはずだった存在。しかし、それを甚爾の遺言を受けた五条悟が阻止した。果たして甚爾は恵を息子と認識するのか、彼にその正体を明かすのか。

 巡り巡ってやってきた、禪院の因果。そこにただ半ば巻き込まれてしまったような、七海と陀艮。その緊張感しかない戦いの行く末に刮目せよ。

■放送情報
TVアニメ『呪術廻戦』第2期
MBS/TBS系にて、毎週木曜23:56~放送
キャスト:榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、中村悠一、島﨑信長、櫻井孝宏、諏訪部順一、三瓶由布子
原作:『呪術廻戦』芥見下々(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史、小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
「渋谷事変」オープニングテーマ:King Gnu「SPECIALZ」(Sony Music Labels)
「渋谷事変」エンディングテーマ:羊文学「more than words」(F.C.L.S./Sony Music Labels)
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp

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