『ブギウギ』傷心のスズ子に寄り添う六郎の姉弟愛 ツヤの「おかえり」が優しく包み込む

 その夜、トシ(三林京子)はスズ子に出生について黙っていたことを謝る。だが、ツヤの行動はスズ子を愛するがゆえのものでもあった。トシにとってスズ子も六郎も大好きで大切だが、ツヤやタカ(西村亜矢子)のほうが大切だと語る。だからこそ、ツヤは本当の子のように育てたスズ子のことを大切に思っていた。決して血が繋がっていなくとも、親にとって子は何よりも大事な存在だ。「スズ子はスズ子で1人の人間や」「スズ子が苦しなったら言うたらいいと思う」――トシはツヤに言うべきか言わざるべきかスズ子に任せた。トシの優しさはスズ子の決断を後押しすることになる。

 
 「はな湯」に戻ったスズ子は香川のことは黙っていることに決めたのだった。梅吉(柳葉敏郎)とツヤはいつもと変わらない陽気な笑顔でスズ子たちを迎え入れる。これまでシリアスな展開が続いていただけに、2人の笑顔を見ると実家に帰ってきたかのような安心感がある。

「おかえり」
「ただいま」

 ツヤとスズ子の何気ないやり取りではあるが、この一瞬の間で2人が全てを理解していたに違いない。だが、お互い詮索することはしない。今はそれでいい。

 休暇を終え、梅丸少女歌劇団(USK)に戻ってきたスズ子。リリー(清水くるみ)や和希(片山友希)の存在がもうすでに懐かしい。明日からはようやくUSKでの日常が戻ってきそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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