広瀬アリスには逆境に立ち向かう役がよく似合う 『マイハル』で見せた“喜びの大爆発”

広瀬アリスには逆境に立ち向かう役が似合う

「“こんなはずじゃなかった”に折り合いをつけていくのが大人だからさ」
「このまま一生、消化試合みたいな人生送るつもり?」

 この言葉に心をひと突きされたような気持ちになったら、10月17日からスタートしたTBS系の火曜ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』を観てほしい。広瀬アリス演じる白玉佐弥子の奮闘ぶりにきっと励まされることだろう。

 静岡県富士市で土産物店を営む家に生まれた佐弥子は、建築に興味があり成績もよかったが、「高校を卒業したら店を手伝うもの」と思い込んでいて、大学に進学するつもりはなかった。しかし、高校の担任から受験を勧められ、「親に喜んでもらう人生より、自分の望んでいる人生を生きよう」と大学受験を決意する。そして迎えた受験当日、佐弥子は会場に向かう途中で自転車で転び、なんと両腕を骨折し受験に失敗。貧乏が故に浪人生活も叶わなかった。そのままの勢いで上京して契約社員として働き始め、気がついたら12年が経過していた佐弥子だったが、ひょんなことから小笠原拓(道枝駿佑)という大学生と出会う。拓が建築系の大学に通っていると知った佐弥子は、愚痴交じりに大学への未練を打ち明ける。拓はそんな佐弥子に、「今からでも大学生になればいい」と言い放つ。

 もうすぐ30歳というところで、悔しい思いの残った大学受験のことを思い出話として話したことがよくなかったのだろうか。佐弥子は、友人の結婚式のご祝儀としておろした少なくない額が入った財布をなくしてしまい、同じ時期になんとか騙し騙し使っていた洗濯機と電子レンジが壊れ、挙げ句の果てに来月には契約が終了することを告げられてしまう。不運が重なってしまった、と一言で片付けるにはかわいそうなくらい不運続きだ。

 だが、このまま自分の運命を悲しむ女性の役は、広瀬には似合わない。ちょっとやそっとのことではめげない強さと行動力を感じさせるのが彼女の魅力だからだ。今回もそれが遺憾なく発揮されている。佐弥子は契約終了を告げられたその夜、今度は自分の携帯がないことに気がつくが、必死の形相で公衆電話を探し出す。そして、偶然それを拾ったという拓という青年に出会うのだ。その後、また不運に見舞われてしまったことをきっかけに、拓から「今からでも大学生になればいい」と言われたことに背中を押され、大学受験に再挑戦する。

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