朝ドラ『ブギウギ』宇野祥平がもっとも頼もしい存在に？　誰よりも多い足立紳作品での経験

　そんな宇野は映画ファンにとってお馴染みのバイプレイヤーである。『クロサギ』（TBS系）や『あなたがしてくれなくても』（フジテレビ系）など、テレビドラマへの出演が急増しているのは近年のことで、それまでは生粋の「映画俳優」という印象の存在だった。

　自主映画時代から何度も映画作りをともにしている前田弘二監督や、『星の子』（2020年）などの大森立嗣監督、昨年公開され多くの観客に衝撃を与えた『ビリーバーズ』（2022年）の城定秀夫監督、そして、宇野が初めて商業映画で主演を務めた『オカルト』（2009年）の白石晃士監督など、そのキャリアを振り返ればいかに彼が映画界で厚い支持を得ているのかが分かる。

　ドラマの領域での、それも、「朝ドラ」という幅広い層の視聴者が注目する場での足立とのタッグにより、今後はもっとテレビで彼を目にする機会が増えるかもしれない。

　さらに宇野は先述したコメントにて、「僕が演じるゴンベエは、ひとことでいうと謎の人です。今後、謎の部分が明らかになるのかどうか、僕にはわからないのですが、“謎”というのが、誰しもが持っている知られていない昔のことだとしたら、とても普遍的なものだとも思います。ゴンベエも皆様に、どこかこういう人いたなあと思われるような身近な人間に感じていただくことができたら幸いです」と続けている。

　これから成長していくヒロイン・鈴子の人生との関わりももちろんだが、謎めいた人物なだけあって、彼が主軸となるサイドストーリーにも期待したいところだ。果たしてゴンベエは記憶を取り戻すのか、どうなのか。そこには足立作品らしい、粋な展開が用意されているのではないだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
出演：趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本：足立紳、櫻井剛
制作統括：福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー：橋爪國臣
演出：福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供＝NHK