『父は憶えている』アカデミー賞国際長編映画賞キルギス代表に選出 予告編&ポスターも
12月1日に公開されるアクタン・アリム・クバト監督最新作『父は憶えている』が第96回アカデミー賞国際長編映画賞キルギス代表に選出された。あわせて予告編とポスタービジュアルが公開された。
第15回アジア太平洋映画賞で審査員特別賞を受賞した本作は、大国ロシアの陰で変わりゆく世界に抗い、伝統と文化を守ろうとする家族の姿を描いた実話に基づく物語。『あの娘と自転車に乗って』『馬を放つ』などで知られるクバトが監督と主演を務めた。
キルギスの村にひとりの男が帰ってきた。23年前にロシアに出稼ぎに行ったきり行方がわからなかったザールクだ。記憶と言葉を失ったその姿に家族や村人たちは動揺するも、そこに妻ウムスナイの姿はなかった。心配する家族や村人たちをよそに、ザールクは溢れる村のゴミを黙々と片付けるのであった。無邪気に慕ってくる孫、村人とのぎこちない交流に、穏やかな村の暮らし。そんな中、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれ変わっていく故郷の姿が、否応なくザールクに迫ってくる。果たして、家族や故郷の思い出は甦り、息子や妻の名前を再び口にすることはあるのだろうか。
公開された予告編では、記憶と言葉を失いながらも、23年ぶりにキルギスの村に帰ってきたザールク(アクタン・アリム・クバト)の姿と、帰郷を喜びながらも動揺する家族や村人の姿が映し出されている。また、父の記憶を呼び覚ますために息子が家族のアルバムを見せるシーンなども確認できる。
ポスタービジュアルでは、「父は帰ってきた。記憶と言葉を失ってーー。」というキャッチコピーとともに、キルギスの雄大な山岳風景をバックにザールクの厳しい表情が切り取られている。その上には妻・ウムスナイの横顔、左下には息子クバト、下部には孫娘の姿も描かれている。
あわせて、写真家の石川直樹よりコメントが到着した。
石川直樹(写真家)・コメント
記憶を失おうと、時代が変わろうと、人間はそれぞれの地で根を張って生きる。 人間の生の本質がスクリーンから滲みだし、最後まで惹きこまれました。
■公開情報
『父は憶えている』
12月1日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督・主演:アクタン・アリム・クバト
配給:ビターズ・エンド
2022年/キルギス・日本・オランダ・フランス/カラー1:1.85/105分/キルギス語・アラビア語・英語/英題:This is What I Remember/原題:Esimde
©Kyrgyzfilm, Oy Art, Bitters End, Volya Films, Mandra Films
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/oboeteiru/
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