『パリピ孔明』渋江修平の演出が実写化成功の要に “本気”の音楽シーンは必見
また、歌のシーンが何度も出てくるのだが、このドラマの中のさまざまなパフォーマンスを観ていると、日本には多様な音楽、アーティストがいることがわかり、それがうまく生かされていると感じる。
英子が感動してアーティストになろうと決意するきっかけとなる世界的なアーティストのマリア・ディーゼルを演じたアヴちゃん(女王蜂)のパフォーマンスは、英子が生きる希望を感じたという説得力があった。
英子にイベントに出演することを持ちかけるが、実は当て馬にするためであったという人気歌手のミア西表を演じたのは、世界的にも活躍するダンサー、コレオグラファーの菅原 小春。ミア西表という役にはヴィラン的な要素もあるのだが、ドラマの中だけではもったいないような、圧巻のパフォーマンスを見せていた。
ヒロインの英子も、第1話の中で2曲を披露。1曲目は1978年にリリースされた原田真二の「タイム・トラベル」、そしてもう1曲は1979年の松原みきの「真夜中のドア〜stay with me」であった。どちらも今ではシティポップとして再評価されるジャンルの曲であり、アーティストadieuとして活動する上白石萌歌にもぴったりとはまっていた。
また、この日の最後には、歌って踊れるスーパーアーティストの前園ケイジのパフォーマンスもあった。演じるのは、GENERATIONS from EXILE TRIBE/EXILEのメンバーの関口メンディー。普段はパフォーマーとして活躍するメンディーだが、 ヒップホップグループHONEST BOYZやGENERATIONSでもラッパーも務めている。彼が、今回は歌にも挑戦。ホットパンツに毛皮というド派手なファッションでのパフォーマンスもメンディーならではだ。
第2話の予告では、JET JACKETのギタリスト兼ボーカルRYOとして出演する森崎ウィンの映像も映っていた。このドラマでは、毎回、歌やダンスのシーンも楽しみになってくることだろう。第1話だけでも、日本にはこんなに、魅力的にパフォーマンスできる人たちがいるのだと実感させられたし、こうしたシーンがあるはずなのに、それがテレビの歌番組などでは感じられないのは、なぜなのかとすら思ってしまった。
書きたいことが山盛りのこのドラマだが、冒頭で中国語のナレーションを担当する劉備役のディーン・フジオカも印象に残ったし、『三国志』オタクの小林も怪しい中にもどこか信頼できそうな感じが宿るキャラクターになっていた。
何より、諸葛亮孔明を演じる向井理がいい。浮世離れした役だが、無理にテンションで笑わせるのではなく、くすっとさせるものがある。特に過去に傷つき、自分に自信の持てず「ファンなんていないよ」という英子を励ますときに彼女に言う「ここに、いるではないですか」というシーンは、漫画原作にもアニメにもあったが、向井の演技をあらためて観てぐっときてしまった。
■放送情報
『パリピ孔明』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:向井理、上白石萌歌、菅原小春、宮世琉弥、八木莉可子、森崎ウィン、関口メンディー、アヴちゃん(女王蜂)、ELLY、ディーン・フジオカ、森山未來ほか
原作:『パリピ孔明』四葉夕ト(原作)、小川亮(漫画)(講談社『ヤングマガジン』連載)
脚本:根本ノンジ
企画:髙木由佳(フジテレビ)
プロデューサー:八尾香澄
演出:渋江修平ほか
音楽:近谷直之
制作協力:C&Iエンタテインメント
制作著作:フジテレビ
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