大沢たかおが語る、“育ててもらった”月9枠への覚悟 『ONE DAY』は「とても新しい企画」

 二宮和也、中谷美紀、大沢たかおがトリプル主演を務める、フジテレビ月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』。本作は、人々が思い思いに過ごすクリスマスイブという“たった1日”の出来事を1クールかけて描く、謎と愛と奇跡の物語。その中で大沢は、老舗レストランのシェフ・立葵時生を演じる。大沢の月9ドラマへの出演は29年ぶり。そんな大沢に、自身が演じる立葵というキャラクターや、12年ぶりの共演となる中谷、初共演となる二宮との共演などについて語ってもらった。

「視聴者も最初に観たときにはびっくりするんじゃないかな」

〈本編映像初公開!〉ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~ 10月9日(月)よる9時スタート!(初回30分拡大)

――久々の連ドラ主演となりますが、本作に惹かれたポイントを聞かせてください。

大沢たかお(以下、大沢):ひとつは、自分が今までに見たこともない企画であるということ。企画を読ませていただいて、「テレビでこんなことに挑戦するんだ」とワクワクしました。そして、鈴木(雅之)監督、成河(広明)プロデューサーというチームですよね。自分の中で“テレビを代表するチーム”だと思っているみなさんが、「こんな挑戦的なことをどうやるんだ」とすごく興味がありました。そこにプラスして、二宮さん、中谷さんというそれぞれのスタイルで輝いている人たちとタッグを組んで、しかも月9という歴史のある枠の中で、いろんな層に向けて発信できる。とても新しい企画なんじゃないかなと感じ、ぜひ参加したいと思いました。

――物語の内容についてはいかがでしょうか?

大沢:“1日の物語”というだけでなく、三者三様の人生があって、シチュエーションが違うんです。3人がそれぞれ、別の空間で、別の世界観にいるのがすごく面白いし、視聴者も最初に観たときにはびっくりするんじゃないかなと。僕は、そういう企画をやるのがすごく好きなんです。それでお客さんに喜んでもらったり、僕自身が子どもだった頃のように「テレビにかじりついて観てほしいな」という想いがあります。構成としては、3人の物語が同時進行で進んでいって、だんだん絡んでくる。そこから謎解きもあるし、いろんな伏線が引かれています。春にプロデューサーと監督に会ったとき、台本のことですごく悩まれていたけど、今、オンエア直前のギリギリまで決定稿が出てこないぞ、みたいな(笑)。あのときから悩み続けて、まだ悩んでるんだ、と。僕はその感じが好きですし、本気で手を抜かずにやっているんだなって、より信頼を持って現場に入ることができたのはすごく良かったです。

――中谷さんとは12年ぶりの共演、二宮さんとは初共演です。

大沢:ご一緒できるのはすごく嬉しいです。「いいドラマにする」というみんなで掲げた目標があるので、それぞれの輝きはありつつ、この作品が一つになっていくのがいいのかなと思っています。

――それぞれのチームで別々に撮影されているそうですが、現段階で接点は?

大沢:二宮くんとは、一緒に仕事しました。ちょっとすれ違うだけでしたが、すごく好きな俳優さんでもあるので、楽しいですよね。二宮さんがこちらを見て逃げていくところを撮っただけなので、芝居をいろいろやったという感じではなかったけど、尊敬も信頼もあるので自然に演じていました。

――今回はシェフ役ということで、包丁を購入して玉ねぎのみじん切りを練習されたそうですね。

大沢:僕はふだんあまり料理をしないので、本当は知り合いの洋食屋さんに弟子入りしたかったんですが、はっきりと断られました(笑)。「どうせテレビが終わったら来ないんですよね?」「まぁ、そうなりますね」って(笑)。いろいろと秘伝もあるみたいで2軒断られたので、その方向は諦めて部屋で玉ねぎを切っています。たとえば“ピアノを弾いている手元と顔が別のカットになる”みたいなことに、お客さんは飽き飽きしてるわけですよね。ですから手元が映るときには自分の手でやりたいなと思っているんですが、台本を書かれる方も“切る”といったアクションをさせるのが恐ろしいのか、比較的簡単なことしか書いていないんです(笑)。

――(笑)。現在、物語の結末についてどのあたりまでご存知なのでしょうか?

大沢:最終的に「このドラマは不幸で終わらない」と聞いているくらいです。でも、知らない方が面白いですよね。だって人生は何が起きるかわからないし、今夜、どう過ごしているかもわからないじゃないですか。だから、「次の話でこうなるから、こうしよう」などは全く考えていないです。

――本当の人間はそうですもんね。

大沢:こういった臨み方はこれまでにやったことがないけれど、初めてやってみています。とにかく挑戦したいんです。この作品で新しいことがやりたいし、みなさんに見たことがないような大沢たかおを見せたい。「なんとなくこんな感じなんだろうな」とみんなが思っているものを破壊したいし、そうしないと面白くないですよね。それをいろんなブロックでみんなが挑戦していく作品だと思うので、先を知らないほうが、その場を一生懸命乗り越えていく熱量になるかなと思っています。

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