アニメが京都観光の核になる? 京都駅に開設された京アニショップの仕掛け人に聞く

 京都アニメーションによるアニメ作品『響け!ユーフォニアム』シリーズの4年ぶりの最新作となる劇場版作品『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』が、8月4日より全国劇場で上映されている。

 これを受けて、東海道新幹線の京都駅ビル内に、京都アニメーション製作のオリジナルグッズだけを扱うショップとしては国内最大級となる「京都駅 ASTY京都 京アニグッズストア」がオープンした。

 2023年8月4日から2024年1月8日までの期間限定の店舗で、『響け!ユーフォニアム』のほか、『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など、名作揃いの21作品のグッズが揃う。

 東海道新幹線を運営するJR東海は近年、鉄道とアニメを絡めた企画を数々手掛けている。JR沼津駅では、『ラブライブ!サンシャイン!!』とのコラボキャンペーンが大きな話題になっている。失礼を承知で言えば、同社は真面目な会社というイメージが強く、アニメコラボはかなり社風と異なる気がしてしまうが、クオリティの高さがアニメファンからの熱い支持を集めている。

 話題沸騰の「京都駅 ASTY京都 京アニグッズストア」だが、企画に当初から携わったのは、なんと京アニファン歴12年、入社3年目の若手社員なのだそうだ。

京アニ作品を通じて京都の魅力を発信

「京都駅 ASTY京都 京アニグッズストア」の店内 ファン垂涎のグッズが並ぶ

 「京都駅 ASTY京都 京アニグッズストア」を企画するに至った経緯を企画立案者の職員は次のように語る。

「コロナ禍では東海道新幹線の利用者が少なくなり、京都駅を訪れる観光客も少なくなってしまいました。東海道新幹線の京都駅にある商業施設を運営するジェイアール東海関西開発(JKK)にとっても死活問題でした。これを機に、会社の経営方針も、これまでの新幹線利用者に寄り添う事業も行いつつ、新たに地域連携(活性化)などにも力を入れることになりました」

 JR東海ではこれまでも「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンなどで、寺社仏閣や伝統文化の紹介をしてきた。今回の企画も意外性の面でも注目が集まっている。

「JKKはJR東海のグループ会社ですが、京都に本社を置くアドバンテージを活かし、これまでにJR東海が紹介しきれていない新たな京都の魅力を発信して、多くのお客様に京都駅までお越しいただけるようにと、アイディアを考えました。数多ある京都の魅力や文化のなかで、まずは京都アニメーションさんと連携したいと考えました」

 京都を訪れる修学旅行生にも京アニ作品は人気が高いという。作品の聖地巡礼に行く学生も多いようだ。

「京都アニメーションさんは、アニメーション製作では、ファンの中で『京アニクオリティ』と呼ばれ一目置かれるほど高い技術力を持つ会社で、『京都迎賓館』の一般公開のポスターにも採用されています。このように高く評価されている京都アニメーションさんの素晴らしさをより広く情報発信したいという思いと、何よりファンのみなさんに喜んでもらえる企画がしたいという思いで、打ち合わせを重ね、今回の新店舗を開業することができました」

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