吉川晃司が『キングダム 運命の炎』に刻む“最強像” カリスマ性が生み出す強烈な“うねり”

 吉川のほかにも小栗旬らが「シークレットキャスト」として本作に参戦しているのだが、プロデューサーの松橋真三はこのキャスティングについて「最大の難関でした。あの強すぎる王騎将軍や信たちを脅かす最強の軍団を実際に作らねばなりませんから。願いが叶い、登場するだけでヒリヒリするような方々にご参加いただくことができました」と語っており、原作者である原泰久は「龐煖役の吉川晃司さんは、漫画原作でも描いてきた最強の武人という迫力を存分に出して下さっています」とコメント。やはり、俳優としての力量だけでなく、個人の持っている特別な資質を重視していたことが分かるだろう。

『キングダム  運命の炎』シークレットキャスト、吉川晃司、小栗旬、佐久間由衣の出演発表

公開中の山﨑賢人主演映画『キングダム  運命の炎』のシークレットキャストとして、吉川晃司、小栗旬、佐久間由衣の出演が発表された。…

 平成生まれの筆者は完全なる後追い世代の人間ではあるが、吉川晃司がいかにカリスマ的な存在として広く認識されてきたのかはよく理解しているつもりだ。彼のカリスマ性は、ただそこに立っているだけで、ただひとこと発するだけで、作品に強烈なうねりを生み出す。それは近年の出演作で演じてきた各キャラクターたちからも感じ取ることができるだろう。

 現在放送中の『トリリオンゲーム』(TBS系)で演じている敏腕投資家や、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)の航空学校の鬼教官、日曜劇場『DCU』(TBS系)で主人公と対峙するダイバーなどもそうだった。いずれも、技量があれば成立するという役どころではないだろう。『キングダム』と同じくマンガ原作の作品でいえば、『るろうに剣心』(2012年)に登場した強敵・鵜堂刃衛も完全にこの系譜に連なるものである。

 稀有な才能・吉川晃司が武神である龐煖として暴れるのは、次作のこととなるのだろう。その姿を想像しただけで身震いがする。

■公開情報
『キングダム 運命の炎』
全国公開中
出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、杏、山田裕貴、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、片岡愛之助、山本耕史、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、大沢たかお
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、原泰久
原作:原泰久『キングダム』(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)
音楽:やまだ豊
配給:東宝
©︎原泰久/集英社 ©︎2023映画「キングダム」製作委員会
公式サイト:https://kingdom-the-movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/kingdomthemovie
公式Instagram:https://www.instagram.com/kingdom_movie/

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