『最高の教師』真犯人を考察 『金八先生』伝説の「卒業式前の暴力」回と並ぶ衝撃作に

SNSを騒がす“星崎真犯人説”の場合の動機を考える

 一方で、真犯人としてSNS上で多い意見は、星崎(奥平大兼)だ。表向きは鵜久森チームだが、九条の映画を撮りたいと粘着し、居酒屋での会話を盗撮したり、最初にタイムリーパーだと気づき、ニヤニヤしながら聞き出そうとする、どこか“サイコパス”ともいえる存在だ。今回の鵜久森と東風谷、九条の会話も盗撮しているかもしれない。正義感の強い鵜久森はそのデータの入ったSDカードを奪い取ろうとして落下したのではないか、という予想だ。

 ただし、彼が鵜久森らを脅す理由は今のところない。“ただ刺激が欲しい”、“ただ絶望している表情などのいい画が撮りたい”と、映像素材のために暗躍している。そのデータを相楽軍に渡したという可能性もあるか。当初から裏で繋がっていてもおかしくないし、面白い映像を撮りたい星崎が劣勢の相楽軍団にネタを提供したと考えられる。

 他にも、東風谷と仲の良い優等生の阿久津(藤﨑ゆみあ)が、鵜久森に東風谷を取られたと思っての行動など、可能性は色々と考えられる。

『最高の教師』は『3年B組金八先生』と並ぶ作品に?

 今後の鍵となってくるのは、やはり相楽の背景だろう。

 彼は何に不満を持っているのか。大人に支配されることが嫌なのか。昔、仲間が先生によって何かされたのか? もしかしたらここに鵜久森が関わっているのかもしれない。いずれにせよ、彼らの“改善”が、鵜久森が九条に託した2周目の意味だ。少なくとも、全ては星崎の映画だったというオチだけは勘弁願いたいが、どうなっていくのか。

 第6話は、心の底から「ありがとう」を伝えるまでの芦田愛菜の演技は、もうこの時点から死亡フラグが立ちまくりで、吹き抜け廊下に向かう姿は、正直一番大事な独白映像も全然頭に入ってこないほど「死ぬな!」という感情に襲われた。死体を目の前にした松岡茉優の「いやだ」と呟く絶望感を感じさせる演技も圧巻の一言だった。

 学園ドラマの名シーンとして伝説の、ドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズ(TBS系)での「卒業式前の暴力」回に匹敵すると言っても過言ではないほど、心に響く名エピソードとなった。公式サイトのトップが「私を殺したのは誰ですか?」から「彼女を殺したのは誰ですか?」に変わり、物語は第2章へと突入。第7話の放送は9月2日と週を跨ぐが、この絶望的な余韻を抱える辛い2週間となりそうだ。

■放送情報
土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、川本光貴、白倉碧空、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
演出:鈴木勇馬
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
チーフプロデューサー:田中宏史
主題歌:菅田将暉「ユアーズ」
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/saikyo/
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