『最高の教師』真犯人を考察 『金八先生』伝説の「卒業式前の暴力」回と並ぶ衝撃作に

 松岡茉優主演の日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の第6話は全視聴者に絶望を与えた。本作の“もう1人の主人公”とも言える芦田愛菜演じる鵜久森叶が、2周目の人生で与えられた意味を見出すも、結局死を迎えてしまうという衝撃のラストだった。第6話ではいったい何が描かれていたのかを振り返りつつ、今後の展開を考察する。

真相に迫るヒントが多く描かれた第6話

 第6話では、3年D組の担任・九条里奈(松岡茉優)の生徒である鵜久森(芦田愛菜)も九条と同じ2周目の人生を歩んでいることが分かり、互いに2周目の人生を与えられた意味を考えていた。鵜久森の1周目の人生では、イジメを苦に不登校になり、東風谷葵(當真あみ)から想いを告白された後、吸い込まれるように橋から身を投げた。目を覚ますと始業式の日の自宅に戻っており、2周目の人生が始まった。

 2周目でも東風谷は鵜久森に告白した。彼女は1年前から鵜久森を好きと思う感情を抱えていたが、自分を守るために鵜久森へのいじめを見て見ぬふりをしてきた。そんな自分には告白する資格がないと感じ、鵜久森の返事が怖くて逃げてしまっていた。しかし、九条は「あなたはすごく勇敢な人です」と後押しし、東風谷は鵜久森の返事を聞く決意をする。そして2人は話し合い、鵜久森は2周目を生きていることを告白し、1周目での出来事を話した。東風谷が何度も家に訪ねて謝っていたこと、そして告白してくれたことを。

 そして鵜久森は「どうして私にこの2周目が与えられたのか」という問題に答えを出す。「この言葉を東風谷さんに言うために戻ってきたんだ。『ありがとう』って」と感謝を伝えた。第1話で鵜久森がイジメへの思いを独白した「大切な人に自信を持って『大切だよ』と言い返せる自分になりたかった」という希望が叶うことになった。

後半のテーマへと繋がる鵜久森の遺書らしき動画

 その後、九条へも「ありがとうございます」と感謝し、2日遅れの誕生日プレゼントと2人の似顔絵とSDカードを渡す。そこに記録されていた遺書のような動画は「この動画を撮っている翌日は、私の1周目の人生を終わらせた日。なんでこの動画を残したのかというと、自分に明日が来る実感がないんです。もしものことがあったらと思って、先生へ思いを残しました」と始まり、「生きていれば変わるんだって、生徒に伝えて下さい。少しだけ、私のなりたい自分になれたような気がする。でも死にたくない」と言葉を残していた。

 この前日、鵜久森の導きによって文化祭が成功したことにより、鵜久森をイジメていた問題児集団のリーダー・相楽琉偉(加藤清史郎)らに対して生徒の多くは反発した。相楽は鵜久森に2人だけで話そうと呼びだし、鵜久森も決着を付ける勢いで承諾。そしてなぜか相楽は「悪かったよ、これまでのこと一回忘れて」と謝罪するも、鵜久森は「心のない謝罪は受けいられない」と拒否。ではなぜ話し合いに応じたのかという相楽の問いに「あなたとも目を見て話せる自分になりたかったから」と言い放つ。これも「成りたい自分になれた」ことの一つなのだろう。

1周目と同じ日に転落死するのは不変の“運命”なのか

 しかし、なぜ相楽は急に鵜久森に謝ったのか。考えてみると、今回の2人きりの会話の雰囲気は、まるで幼なじみの、かつては親しい関係だったように、照れ臭い謝り方にも見えた。好きな子はイジメたくなるタイプなのか、それとも自分のものにならない嫉妬心か。相楽が死ぬ日を知っていて、その前に謝っておきたかったという“相楽タイムリーパー説”も考えられる。

 この後、鵜久森は何者かに呼び出され、吹き抜け廊下へ向かう。その理由は、ロッカーに「この話をバラされたくなければ放課後に新校舎の吹き抜け廊下へ来ること」という手紙が入っていたからだ。そして鵜久森は待っていた謎の人物と揉み合いになり、1周目と同じ日に転落死してしまう。与えられた寿命、死という運命は変えられないということなのか……。または、前の人生の心残りが解消され、成仏できたということなのか。

 動画の最後には「先生にバトンを託します、過去の私みたいな生徒が生まれないような教室に、無自覚に人を傷つける世界を少しでも変えてくれることを」とメッセージを残していた。鵜久森の死は、視聴者にとっては争って落とされたことが分かるが、九条の立場になると、遺言の動画を託され、それを観た後に落下した状態の死体が見つかる。2周目の目的を果たした鵜久森が再び身を投げたのだ考えてもおかしくない。そして九条以上に、鵜久森が死んだのは告白したせいだと東風谷が勘違いし、後追いしてもおかしくないほどの重い罪悪感を感じてしまうのではないか。今後の東風谷が心配だ。

西野が犯人の場合に成立する“青春の三角関係”

 さて、鵜久森を落としたのは誰か。

 鵜久森に和解を拒否された相楽が家に帰り、イラついていた所に、家に訪れた浜岡(青木柚)が「こういう時は俺っしょ」と言っていた。しかし揉めていたのは大きめの女子生徒だったようにも見える。そこで考えられるのが、女番長のような存在の西野(茅島みずき)犯人説。当初から九条を嫌い、言うことを聞かなくなったクラスメイトに苛立っているのは明白だ。

 また、以前に相楽が苛立つ姿を見て「なんかあいつしでかすかもなー」と呟くなど、相楽の狂気や背景を知っている理解者でもあるが、もし相楽のことを恋愛感情として好きだったらどうだろう。相楽が鵜久森に恋心があるとすれば、西野にとって鵜久森は恋敵となる。そうなれば弱みを握って再び服従させたいと考え、それが今回の悲劇を生んでしまった、青春の三角関係説。

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