『君たちはどう生きるか』あいみょんという“歌える声優”が爆誕 長年のジブリ愛が結晶に
〈それなら私も来世が楽しみになる きっとスタジオジブリで助手をしてるのよ〉
上記はあいみょんが2015年にリリースした楽曲「どうせ死ぬなら」のワンフレーズである。歌詞に込めた彼女のジブリへの深い愛は、しっかりと制作陣にも届いていたようだ。楽曲リリースから約8年後、宮﨑駿最新作『君たちはどう生きるか』で、あいみょんは火の魔法を使う少女・ヒミ役の声優に抜擢された。
「スタジオジブリの作品は、物心ついて気づいたらもう好きだった、という感じなんですよね。小学校1年生のときに初めて自分で見に行った映画が『千と千尋の神隠し』。それ以来、どの作品も映画で見ているから、人生のいろんな場面とリンクして覚えています。そうやって、ジブリへの愛もいつの間にかこんなに育ってしまいました(笑)」(※)
以前から、雑誌や番組内でジブリへの熱い愛を語っているあいみょん。実は彼女は、ジブリの過去作にも縁のある人物である。2021年の『アーヤと魔女』公開時には、鈴木敏夫があいみょんの楽曲「◯◯ちゃん」のサビで歌われる「私のどこがダメですか?」という一節を主人公・アーヤのキャラクター像に重ね、同映画のキャッチコピーに採用している。歴史あるスタジオジブリの制作陣をも動かす、あいみょんの“ジブリ熱”はまさに本物といえる。
そんなあいみょんが演じるのは、主人公が異世界で出会う少女「ヒミ」だ。彼女はキャラクターデザインもいかにも“ジブリらしい”キャラクターであり、本作のヒロインとして観客にインパクトを残す。
異世界の住民から「ヒミさま」と呼ばれる彼女は、炎を操る能力を持っているだけでなく、ちょっぴり大胆な愛らしい一面も見せる。この少し幼さを感じさせるヒミのキャラクター性が、あいみょんの美しい声の魅力は勿論のこと、本格的に声優としての“第一歩”を踏み出した彼女の演技に良い意味でマッチしていた。あいみょんの声優としての潜在能力を見抜いた宮﨑駿と鈴木敏夫のキャスティングセンスは、まさに絶妙と言うべきだろう。
過去にもあいみょんは、自身が主題歌を担当した『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』にて、「あいみょん」の役柄で映画本編にも登場しているが、メインキャラクターの演技は今回が初めてとなる。今回ジブリのヒロインを演じた経験が、今後の彼女のキャリアにどう活かされていくのかが楽しみだ。