『ウソ婚』長濱ねるが演じるからこその八重の魅力 “巻き込まれ型”ヒロインがハマり役に

 そしてもうひとつは、進藤(渡辺翔太)と、取引相手のレミ(トリンドル玲奈)が、八重がウソ妻であると勘付いていること。八重へのバチバチ感から察するに、レミは匠に思いを寄せているのかもしれない。となると、仕事も絡んでくるため、かなり面倒くさくなってくる。

 しかし、八重と匠の絆は確実に強くなっているのが分かる。ただ、どん底に落ちた時に訪れる場所に連れてくるということは、好きだと言っているのも同然なのに、まったく気づかない鈍感な八重。このまま匠が強がっていたら、2人は永遠に平行線のままなのでは……? と不安になってしまうが、このじれったさこそが『ウソ婚』の醍醐味なのかもしれない。

 また、第3話は、“大事な人に本当のことを話すか問題”について考えさせられる回でもあった。匠は、唯一無二の相棒・進藤にも、ウソ婚計画を明かさないつもりでいる。ずっとそばにいる大事な人にウソをつかなければならないのは、つらいことだ。

 でも、八重は「(本当のことを話したら)ウソをつかせるってことだもんね。大事な人に」と言い、匠の考えを支持していた。これは、自分よりも相手を優先する八重だからこそ気づけたことだと思う。

 毎回、“ウソ”について考えさせられる本作。相手を悲しませるウソと、相手を悲しませないためのウソ。どんなウソでも、ウソをついた張本人はずっと苦しむことになる。たくさんのウソをついてきたことに罪悪感を抱いている八重を見ていると、「匠はウソをつかずに本当のことを言っちゃえ! せめて進藤には!」と思ってしまうが、勘が鋭い進藤が真実にたどり着くのは時間の問題なのかもしれない。

■放送情報
『ウソ婚』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、長濱ねる、渡辺翔太(Snow Man)、トリンドル玲奈、織田梨沙、黒羽麻璃央、鶴見辰吾ほか
原作:時名きうい『ウソ婚』(講談社『姉フレンド』連載)
脚本:蛭田直美
音楽:岩本裕司
主題歌:Sexy Zone「本音と建前」(Top J Records)/作詞・作編曲:椎名林檎
監督:山口健人、木村真人
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、島本講太(ジェイ・ストーム)、芳川茜(共同テレビ)
制作協力:共同テレビ
制作:カンテレ、ジェイ・ストーム
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/usokon/
公式Twitter:@kadora_11j
公式Instagram:@kadora_11j

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