『ダメ恋』『はじ恋』『恋つづ』を経て  『18/40』はTBS火曜ドラマの集大成に

 2020年の『恋はつづくよどこまでも』以降は、10代〜20代をターゲットにした若者向けドラマとしての側面が強まっているが、働く女性が社会で直面する仕事と恋愛の悩みを描くという部分は今も変わらない。

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 今回の『18/40』では、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で主演を務めた福原遥が、妊娠しても夢を諦めずにキュレーターを目指す大学生を演じている。その意味で火曜ドラマの若者向け路線を踏襲しているが、もう一人の主人公として深田恭子が加わることで、本作には大きな広がりが生まれている。

 『ダメ恋』の他にも深田は、寺島しのぶとW主演だった2014年の『女はそれを許さない』、2019年の『初めて恋をした日に読む話』、そして今回の『18/40』の4作で火曜ドラマの主演を務めている。つまり彼女は、火曜ドラマのレジェンドと言える存在で、大人になりきれない30代の真面目な女性を演じることで視聴者の共感を集めてきた。

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 このイメージは『18/40』の瞳子にも引き継がれており、年齢よりも幼く見えて頼りない印象は健在だ。だが、有栖を心配して支えようとする瞳子の佇まいには、これまでとは違う40代の女性ならではの大人の強さが備わっている。

 そんな深田が主演として加わった本作は、新旧の火曜ドラマの流れが合流した集大成と言えるドラマに仕上がっている。

 キラキラとしたお仕事とキュンキュンする恋愛を描いた上で出産とキャリアパスというシリアスなテーマが描かれる本作だが、出産にまつわる様々な問題の描き方を観ていると、2016年の火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下、『逃げ恥』)を思い出す。

 『逃げ恥』は火曜ドラマの定番となっている契約結婚ものの元祖と言える存在だ。劇中には様々な社会的テーマが散りばめられていたのだが、第8話に、もしも、自分が市議会議員だとしたら「働く女性の育児についてどうお考えか」と家族から話題を振られた主人公のみくり(新垣結衣)が、いっそのこと「高校生のうちに出産したらいいのではないか?」と提案する場面がある。

 働きながら育てるよりも、学生時代の方が育てやすいので、高校に託児所を作り、学校全体で子育てをしていけばいいのではないかとみくりは考えるのだが、この思考実験はとても印象に残っていて、時々思い出す。

 『18/40』にワクワクするのは、『逃げ恥』で展開された思考実験が、物語を通して描かれる予感がするからだ。瞳子と有栖の共同生活が、出産、子育ての新しい形を見せてくれることを期待している。

■放送情報
火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:福原遥、深田恭子、鈴鹿央士、上杉柊平、出口夏希、長澤樹、八木勇征(FANTASTICS)、嵐莉菜、シルビア・グラブ、髙嶋政宏、美村里江、松本若菜、片平なぎさ、安田顕
脚本:龍居由佳里、木村涼子
プロデュース:韓哲、荒木沙耶、内川祐紀
演出:福田亮介、松木彩、宮﨑萌加
音楽:吉俣良
主題歌:Ado「向日葵」(ユニバーサル ミュージック)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/1840_tbs/
公式Twitter:@1840_tbs
公式Instagram:1840_tbs

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