森田成一×杉山紀彰、『BLEACH』は「鏡花水月のよう」 一護と雨竜の“10年”の変化を語る
ーー2001年に久保先生による原作漫画の連載が始まって22年。2016年に完結してからも根強い人気を誇っている『BLEACH』ですが、お二方はその魅力がどこにあるとお考えですか?
森田:限界のないところですね。本当に予想ができない展開を久保先生がお描きになるんです。今までになかった物語の構築性にいつも驚かされますし、そのことがファンにも届いていると思うんです。キャラクター一人ひとりの魅力も際立っています。それから、作品の中でいつのまにか仕掛けられているトラップというか、罠が素晴らしいんですよ。まるで鏡花水月のよう。あるところから読者は僕も含めてそれに酔っているところがあると思います。
杉山:そうそう!
森田:ストーリーやキャラクターにも際立ったものがありますが、やはり読者がドキドキワクワクするところが大きな魅力になっているんじゃないでしょうか。『BLEACH』がその気持ちをしっかり捕らえて、予想の先の先を打って出してくるところが、皆を捕らえて放さない魅力になっていると思います。
杉山:僕も本当に、多岐にわたる魅力というかカラーがあって、それがすごく混在して『BLEACH』らしさを構築していると思っています。本筋的にはミステリアスなところがあるんですが、そこに熱いバトルがありコミカルなシーンがあり、多彩なキャラクターがいるなどの要素が入ってきて、それをスタイリッシュな演出や描写でまとめて描いているところが良いんです。もう七味というか十四味くらいの魅力が詰め込まれていますね。何かヘンな例えですが(笑)。
森田:唐辛子で例えるのは初めて聞いたよ(笑)。
杉山:(笑)。本当に、スパイシーなだけではなくて、甘いところもあって酸っぱいところもあって、それらをスタイリッシュに格好良くまとめている作品です。だからこそ、いろいろな切り口から入って来やすいんだと思います。熱いバトルだったり、シリアスでミステリアスな話だったり、コミカルな展開が好きな人や多彩なキャラクターが好きな人だったりと、いろいろな人から支持されるのではないでしょうか。
ーー放送中の『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』ですが、最後に見どころを教えて下さい。
森田:第1クールが終わった時に、SNSで皆が『BLEACH』ロスと言っていたんですよね。月曜日の放送だったので、放送中は仕事や学校があっても『BLEACH』の放送が待ち遠しかった。それが、第1クールが終わって1週間がキツくなるといった感じで。嬉しい悲鳴みたいなものを聞きました。今度は放送が土曜日になりましたが、週末が待ち遠しくなる作品になっていると思います。楽しみにしていて下さい。
杉山:第1クールを観ていただいた方は分かっていると思いますが、およそTVシリーズとは思えない高いクオリティで映像化されていました。第2クールも引き続き驚くようなクオリティ、それこそ劇場で上映されてもおかしくないクオリティで、もの凄いテンポ感を持った熱いバトルが繰り広げられていきます。その中で、『BLEACH』という作品の肝となる部分が描かれていきますから、リアルタイムで観て盛り上がっていただけたらと思います。
■放送・配信情報
『BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー』
テレビ東京系、BSテレ東ほかにて、毎週土曜23:00~放送
原作:『BLEACH』久保帯人(集英社 ジャンプコミックス刊)
監督:田口智久
シリーズ構成:田口智久、平松正樹
キャラクターデザイン:工藤昌史
総作画監督:長谷川亨雄、小松原聖、高柳久美子
アクション・エフェクト作画監督:酒井智史、菅野芳弘、鄭泳勲
美術監督:谷岡善王
美術設定:天田俊貴
色彩設計:合田沙織
編集:三嶋章紀
撮影監督:山田和弘
CG監督:佐々木俊宏、後藤和史
音響監督:長崎行男
音響制作:ザック・プロモーション
音楽 :鷺巣詩郎
アニメーション制作:studioぴえろ
オープニングテーマ:w.o.d. 「STARS」
エンディングテーマ:神山羊 「Endroll」
キャスト:森田成一、折笠富美子、杉山紀彰、松岡由貴、安元洋貴、伊藤健太郎、三木眞一郎、ゆきのさつき、高岡瓶々、桑島法子、樫井笙人、久川綾、小野坂昌也、置鮎龍太郎、稲田徹、大塚明夫、杉田智和、朴璐美、立木文彦、中尾隆聖、石川英郎、楠見尚己、上田燿司、志村知幸、佐藤利奈、恒松あゆみ、菅生隆之、梅原裕一郎、武内駿輔、竹達彩奈、小野友樹、内山夕実、花江夏樹、日野聡、悠木碧、小山剛志、保志総一朗、東山奈央
©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
公式サイト:https://bleach-anime.com/
公式Twitter:@BLEACHanimation