『トリリオンゲーム』目黒蓮の“期待を超えてくる力” 佐野勇斗の意味深なナレーションも

 様々な制限が解除され「あれもしたい、これもしたい」と欲張りな気分になる今年の夏に、「とことん欲張っていこう!」と勢い付けてくれるようなドラマが始まった。金曜ドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)だ。

 大手企業の採用面接で役員たち相手に爆笑を取るほどのコミュニケーション能力を持ち、目的達成のためならなんの悪びれもなくハッタリをかましまくる少々ヤバいやつ。それが本作の主人公・ハルだ。品行方正かと言われれば、決してYESとは言えない。しかし、それでも彼が愛らしく思えるのは、きっとそこに曲がらない1本の筋が通っているとわかるから。呼吸するように嘘はつくけれど、やると決めたことを必ずやり抜くスタンスに嘘はない。その「何か成し遂げてくれるに違いない」と周囲に思わせるポテンシャルを持つハルを、今まさにスターダムを駆け上がっている目黒蓮が好演している。

 近年、ドラマ『silent』(フジテレビ系)、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、映画『月の満ち欠け』など、数々の人気作品に出演しブレイクを果たした目黒。どちらかと言えば硬派な好青年を演じてきた印象が強いが、本作ではそのイメージの殻を突き破る演技を見せている。いや、それも振り返ってみれば納得だ。目黒という人は、Snow Manに抜擢されたときを筆頭に、これまで巡ってきたチャンスを一つずつ見事にものにしてきた男だった。

 その長い手足でバサッとスーツジャケットを翻す姿は凛々しく頼もしく、どこか説得力を感じさせる。それはこれまでチャンスをものにしてきたから自信がにじみ出るのか。それとも期待を寄せたくなる笑顔を見せてくれるからチャンスが巡ってくるのか……。ハルと共通する目黒の“期待を超えてくる力”にも注目だ。

 物語は、ハルが日本大手のIT企業・ドラゴンバンクの採用試験に挑むところから始まる。そこで偶然再会したのが、中学生のころのクラスメート・ガク(佐野勇斗)。2人には、かつて不良たちに絡まれたガクをハルが武力で助け、逆にハルのピンチをガクが得意のパソコンスキルで助けたという過去があった。ハルが持ち前のハッタリで内定を獲得した一方で、ガクは確かな技術と知識があるにも関わらず不採用になってしまう。それを知ったハルはドラゴンバンクに見切りをつけて、内定をすぐさま辞退。ガクに「一緒に会社をやろう」と持ちかけるのだった。

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