芦田愛菜が演じる“2軍”の学生役は絶品だ 『最高の教師』は10代キャリアの集大成となる
もちろん、芦田の表現の強みは悲しみだけではない。映画『メタモルフォーゼの縁側』の佐山うらら役では、BL漫画を通じて70代の老婦人・市野井雪(宮本信子)に出会い、自分の好きに正直に少しずつ挑戦をしていく姿を好演している。物語の中で徐々に変化する感情のグラデーションを見事に表現しており、学生特有の焦りや嫉妬、喜びがとても瑞々しい。芦田自身が成長し、人生経験の中で得た感情が作品の中にも表れている。この作品が友情物語ではなく、1人の女子高生が自分の殻を破っていく成長物語にも見えるのは芦田の細かな感情表現があったからだろう。自分を隠しながら流されるままに生きたいという葛藤も、少しずつ挑戦していく姿もどちらも等身大で演じているからこそ、うららの成長に喜びを感じてしまう。
そんな芦田が7年振りに出演する民放ドラマ『最高の教師』で演じる鵜久森は、主人公の九条里奈(松岡茉優)が受け持つ3年D組の生徒の一人。自分の世界を育む真面目な優等生だったが、実はクラス全員からある“標的”にされているという役どころだ。九条が1度目に歩んだ1年間では、途中で不登校になってしまう。九条の2度目の1年間を描く物語の鍵を握るといっても過言ではない。
『最高の教師』は『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)のプロデューサー、監督が再集結したドラマである。『3年A組』の先が読めないストーリーと、菅田将暉と永野芽郁をはじめとした若手俳優の芝居合戦を楽しみに観ていた方も多いだろう。『最高の教師』では、松岡と芦田がどんな感情のぶつけ合いを繰り広げるのか。芦田がこれまでの作品でも見せてきた複雑な感情を表す表情に注目だ。
近年は学業に影響しない範囲で、役者業を続けてきた芦田。観るものの心を掴んで離さない表情は“愛菜ちゃん”の頃と全く変わっていない。むしろ、成長したからこそ表現できる感情を遺憾なく発揮している。『最高の教師』で演じる鵜久森役は、芦田が演じてきた学生役の真骨頂となり、俳優“芦田愛菜”の真価を世に知らしめるだろう。
■放送情報
新土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、川本光貴、白倉碧空、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
演出:鈴木勇馬
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
チーフプロデューサー:田中宏史
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
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