オク・テギョンが現代を生きるヴァンパイアに 『ハートビート』は『unknown』ともリンク?

クスッと笑えるラブコメ『ハートビート』

 しかし、ある時ウヒョルがイネを危機一髪助けたことで、ヴァンパイアであることをイネは受け入れようとする。そして一緒に住むことになるが、金銭感覚が昔のままのウヒョルはイネのカードでショッピング。そのお金を返すために葬儀場や移動販売で働こうとするが、どの仕事も上手くいかない。基本的にかなり楽観的なウヒョルだが、「カネのためじゃなく、胸が高鳴る人生を送れ」と響く名言を残す。本作ではところどころに、現代に生きる私たちに向けて、何百年も生きてきたヴァンパイアの知識と経験から、メッセージが送られているようにも感じる。

 また、世知辛い世の中になってしまったのは、人間だけではなくヴァンパイアも同じなようだ。そこら中に防犯カメラがあって吸血行為はできないし、血液パックも1つ10万ウォン。皆苦労の多い暮らしを強いられている。

 現代を生きるヴァンパイアというテーマというと、4月期のドラマ『unknown』(テレビ朝日系)を思い浮かべる人も多いのではないだろうか? どちらの作品でもヴァンパイアは普通の人間とあまり変わらない生活をしている。ただし注意すべきなのは、日光とにんにく、強い力。また本作の場合は、鏡に自分の姿が映らない。本作の方が少しファンタジー要素が強くなっているが、どちらも人間と吸血鬼のラブストーリーだ。そして両作品ともに、典型的なヴァンパイアのイメージは踏襲しつつも、2020年代らしい、人間に馴染んだ生活を送っている。もしかしたら、自分の友達や隣に座っている人がヴァンパイアである可能性もなくはないのかもしれない……。

 現在配信されている第4話までで、恋愛面も少しずつ進んできた。ウヒョルがイネの唇から血が出ているのを見て、思わずキスをすると、ウヒョルの最愛の人・ヒソン(ユン・ソヒ)の顔が思い浮かぶという不思議な現象が起きる。

 そしてイネがウヒョルに嚙みついてできた傷が、イネに危険が近づくとうずく謎についても、これから明らかになることだろう。2人はそれぞれが待つ、愛する人に再び会うことはできるのだろうか。

■配信情報
『ハートビート』
Prime Videoにて配信中
監督:イ・ヒョンソク、イ・ミンス
出演:オク・テギョン、ウォン・ジアン、パク・ガンヒョン
提供:KBS
(写真はKBS公式サイトより)

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