磯山さやか、18年ぶり主演映画で活きた“志村イズム” 「自分たちが楽しんでやらないと」

 磯山さやかが主演を務める映画『愛のこむらがえり』が6月23日より順次公開中だ。

 本作は、映画制作の夢を叶えるべく奮闘する男女によるハートフルなライトコメディ。故・志村けんとコントで数々の共演を果たし、喜劇の巨匠・三谷幸喜の作品にも出演してきた磯山のコメディエンヌな魅力が存分に発揮されている。

 そんな磯山は本作が18年ぶりの映画主演、10月には40歳を迎えるなどおめでたいことが続く。今、彼女はどんなことを考え、演技とどう向き合っているのか。話を聞くと、彼女の中に潜む“志村イズム”が見えた。(於ありさ)

18年ぶり主演映画のオファーに「ドッキリかと」

ーー本作への出演が決まった時の気持ちを教えてください。

磯山さやか(以下、磯山):映画で主演のオファーをいただけるなんて、自分から1番遠い出来事だと思っていたので、ワードのパンチ力の強さに驚きましたね。普段バラエティが多いので、お芝居の仕事をいただく時は信じられない気持ちになるのですが、オファーをいただくだけでなく主演だなんて……。ドッキリかと思いましたもん(笑)。

――半信半疑でありながらも、主演を引き受けようと決めたのはなぜだったのでしょう?

磯山:「私でいいのか」っていう不安はありました。でも、髙橋正弥監督からお手紙をいただいて、直接お話をさせていただきたいなと思いました。それで、いざ会ってみたら監督が「磯山さんのこういうところがこの役に合っているからオファーした」と丁寧に説明してくださって。そんなにおっしゃっていただけるなら、頑張ろうと決意したんです。

――お話を受けた時は不安だったとのことですが、現場入りの際はいかがでしたか?

磯山:撮影の前に本読みとリハーサルがあったんですけど、映画撮影の基本がわからず、「とにかくこの雰囲気についていかないと」と必死でした。

――一方、座長として意識されたこともあったのではないでしょうか?

磯山:演技の経験が少ないというのもあって、引っ張っていこうと言うよりは、みんなと一緒に助け合いながらやっていこうという意識でいました。今回は短い時間で撮らなきゃいけなかったので、スタッフさんもかなり大変そうでした。だから、とにかくスタッフさんが楽しくやってくれたらいいなと思って、大好きな野球の話をたくさんしたり、リハーサルでコントの時みたいな酔っ払い感を出したり(笑)。ちょうどクライマックスシーズンの時に撮影していたので、本当に楽しかったです。

――映画の外でも、香織と同じく皆さんを応援していたのですね。

磯山:結果的にそうですね。自分も楽しかったのでやっていたのですが、野球部のマネージャーとしての経験が活きました。

ーー特にどなたのことを応援しましたか?

磯山:相手役の吉橋(航也)さんも初主演だったと言うこともあり、ものすごく緊張していて、それがすごいかわいらしかったんですよね。「ずっと舞台で活躍されてきた方でも、こんなに緊張するんだ」って思ったら、私も励まされたし、大丈夫だと思えた。むしろ「支えてあげよう」と思えたことで、役に導いてくれた気もしています。

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