『らんまん』徳永助教授と万太郎の新たな関係 田邊教授との圧倒的な“優しさ”の違い
万太郎が去った後、田邊が学会誌を“水準に達していなければすべて燃やさせるし、金も出さない”と言い捨てる様子に戸惑う徳永。彼は万太郎が石板印刷の技術を授業料まで払って習得したことや、多大な時間を使ったものを“燃やす”ことに納得がいっていない。万太郎は自分の生徒ではないが、学生を見守る助教授として「生徒の頑張り」を見捨てることができないのだ。そういった意味で“先生”としての素質は、田邊よりも徳永のほうがあると言えるだろう。
その後、廊下を歩く上級生に学会誌の原稿を書くように強く言ったり、外で昼顔と夕顔を見るために地面に寝転んでいた万太郎の側に行くと、自分も土を気にせず足をついて夕顔を見たり。質問を出すときに「ど、どーれだ」と不器用な言い方をしてしまうところも何だかかわいくて、徳永助教授の株爆上げである。一連のやり取りは直接的に救う手立てがわからない彼が、それでも万太郎に同情し、彼の努力や知識を初めて認めた瞬間を意味する。万葉集の歌を読み合う様子も美しい。日本文学が好きな徳永にとって、日本文化を(四字熟語でさえ)毛嫌いする田邊。もしかすると今後、徳永が万太郎のことを守ってくれる存在になるかもしれない。
一方、寿恵子は万太郎から貰った花の絵を破ろうとしていた。果たして、彼女は万太郎への想いを断ち切ることができるのだろうか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK