波瑠×キャリアウーマン作にハズレなし 視聴者の共感を集める『わたしのお嫁くん』

 穂香も周りから“営業神”と言われているが、実際には結構不器用で、その仕事方法は案外泥臭い。穂香のような営業はその職業柄、「できません」とか「不可能です」と言った強い言葉を使うことはあまりよしとされない。そういう時は「一旦検討します」や「難しいですね」などと少しぼかすような言葉を使い、ニーズにあった別の提案をしたり、逃げ切ったりする。穂香もその技は持っているが、何かのもやもやが溜まりに溜まってしまうと直談判してしまうのだ。

 以前、穂香渾身の社長プレゼンが、社長にとっては息子の嫁探しだったとわかった時は、数日後に「毎日、掃除をしているというのは嘘です」とプレゼンで話した内容をわざわざ訂正し、その上で商品の良さを証明する追加データを手渡しした。知博の兄からシフォンケーキを焼くことを暗に命ぜられた時は、うまく焼けなかったケーキを見せつつ、「別の方法で山本(知博)くんの同棲相手に相応しいことを証明したいんです」と、兄たちに向けて知博と一緒に暮らすことがどれだけ互いにメリットがあることなのかをプレゼンした。悩みやもやもやを抱えていても気丈に振る舞い、最終的には自分の気持ちには嘘をつかない。そんな姿が多くの視聴者の共感を集めているのではないだろうか。

 でも穂香にひとつ言いたいことがある。穂香は自分の言葉の影響力を考えなさすぎだ。それが思わせぶりな態度に繋がってしまっている。付き合う前の知博に何気なく「ずっと家にいて欲しい」と言い、知博をドキドキさせていた穂香。今度は穂香のことが気になっている花妻(前田拳太郎)と一緒に買い物に行き、「花妻くんに来てもらってよかった!」と言っている。これでは花妻の穂香に対する思いが加速してしまう。穂香の優しさはいいところのひとつだ。だが穂香は現在、「一家の大黒柱」であり「知博の彼女」でもある。その自覚をしっかり持って行動することが今後は必要になるだろう。

■放送情報
『わたしのお嫁くん』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:波瑠、高杉真宙、前田拳太郎、仁村紗和、ヒコロヒー、竹財輝之助、古川雄大、中村蒼ほか
原作:柴なつみ『わたしのお嫁くん』(講談社『Kiss』連載)
脚本:橋本夏
音楽:橋本由香利
プロデュース:中野利幸(フジテレビ)
プロデューサー:芳川茜(共同テレビ)、山崎淳子(共同テレビ)
演出:紙谷楓(共同テレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、水戸祐介(フジテレビ)
制作協力:共同テレビ
制作・著作:フジテレビ
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