『日曜の夜ぐらいは...』は心を満たしてくれる 改めてスタートしたサチ、翔子、若葉の人生

 サチ(清野菜名)の楽しげな鼻歌から始まった『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第5話。

 翔子(岸井ゆきの)や若葉(生見愛瑠)と“カフェを開く”という3人共通の夢を見つけたことで、これまでと同じ生活も仕事も通り道も、瞬く間に彩り豊かに様変わりして見える。母親・邦子(和久井映見)にそれを指摘されると、最初はお決まりの否定から入るサチだったが、すぐに自身に起きた変化を素直に認める。何だか照れ臭そうな彼女が微笑ましい。

 友達と夢を一気に手繰り寄せたサチは、自分の人生には無縁だと切り捨てていたほんのりと恋の予感を漂わせながら“デート”の振りを楽しむ。カフェプロデューサーの住田賢太(川村壱馬/THE RAMPAGE)から、「男性1人でカフェに入ると浮いてしまうから恋人同士の振りをしてほしい」というまさに“ラブコメ”かのような依頼を受ける。

 今までは“入ったら負け”と思っていたカフェに飛び込み、いらないと言い張っていた友達と勇気を持って繋がってみたサチは、前よりも自身の“好き”や“やりたい”を臆せず口にできるようになり、自然と顔も綻ぶ。醸し出す雰囲気も随分柔らかだ。

 自分のペースや感情を乱されることを何より嫌っていたサチが、いつもは即レスの召集担当の翔子からLINEの返信がないとなれば、居ても立ってもいられなくなり、何時に着くかもわからない距離を必死で自転車を漕いで向かう。

 人の縁とは不思議なものだ。どれだけ血縁関係があったって、職場や学校が同じで長い時間を過ごしたって、それよりもたった1泊2日たまたま居合わせたバスツアーで一緒になった人間との方が、居心地が良く関係が続くことだってある。

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